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2024年度 県指導実施計画
高点数個別指導「再開」へ コロナ診療での高点数には「一定の配慮」 |
「2024年度県指導計画」と「2023年度県指導結果」が5月8日、東海北陸厚生局岐阜事務所から開示された。
本稿では、1月26日付け厚労省事務連絡「令和6年度における指導監査等について」の内容も踏まえ、2024年度の指導計画について解説する。 |
集団的個別指導
医科、歯科とも10月に実施
集団的個別指導は、医科は10月に91医療機関(うち病院6件)に対して、歯科も10月に62医療機関に対して「講習会形式」で実施される(表1)。
集団的個別指導は、表2のとおり全医療機関を16の類型(医科病院3、医科診療所12、歯科病院・診療所1)に分け、類型区分ごとに“前年度のレセプト1件当たりの平均点数”が1.2倍(医科病院は1.1倍)を超え、かつ類型区分ごとに概ね上位8%に該当する医療機関が対象となる。ただし、2022年度及び2023年度に集団的個別指導又は個別指導を受けた医療機関は対象から除外される。
平均点数の算出期間が非開示に
2024年度に集団的個別指導を受けた医療機関であって、2025年度も高点数医療機関に該当する場合は、2026年度に高点数を理由とする個別指導の対象となる。
なお、これまで保団連等の開示請求に対して開示されていた平均点数の算出期間(2023年度の平均点数は2022年4月~9月のレセプトデータを使用して算出)は「公にすることにより、当該事務又は事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある」との理由で、今年度から開示されないことになった。
個別指導
今年度から、高点数を理由とする個別指導が再開される。ただし、新型コロナウイルス感染症患者の診療で高点数となる医療機関に配慮するとして、通常時よりも限定して実施される。具体的には、「2024年度に高点数個別指導に選定された医療機関」で、かつ「2021年度にも高点数個別指導に選定されていた医療機関(2021年度はコロナ禍で高点数個別指導は未実施のため、選定されていたかは不明)」に対して実施される。医科では9件、歯科では5件実施される予定である。
高点数以外を理由とする個別指導は、次のとおり。
医科では「情報提供によるもの」(1件)、「再指導によるもの」(6件)、「その他、特に個別指導が必要と認められるもの」(1件)の計8件、歯科では「情報提供によるもの」はなく、「再指導によるもの」(3件)が計画されている。
新規個別指導は、2023年4月から2024年3月までの間に新規指定された医療機関に対し、医科は23件、歯科は19件実施される。
なお、個別指導及び新規個別指導時における弁護士帯同、録音は被指導者の申し出があれば認められる。
集団指導
2024年1月から12月の間に、新規指定を受けた医療機関の集団指導は「講習会形式」により、医科、歯科とも7月と2025年2月に実施される。
2024年1月から12月の間に、指定更新が行われる医療機関への集団指導は「eラーニング」により、医科、歯科とも12月に実施される。
2023年5月から2024年5月の間に、新規に保険医登録した医師、歯科医師に対する集団指導は「講習会形式」により、医科は8月、歯科は6月に実施される。
適時調査
適時調査(厚生局岐阜事務所が、施設基準を届出している医療機関に赴いて、届出されている施設基準の充足状況を確認するための調査)は38病院(2023年度は38病院に実施)に対して実施される。
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協会では現在、厚生局岐阜事務所に対して、2023年度に実施された個別指導及び新規個別指導における指摘事項」等を開示請求している。
開示され次第、本紙及び協会ホームページに掲載するので参考にされたい。
また、指導に関する相談にも応じているので、お気軽に問い合わせいただきたい。
(岐阜県保険医新聞2024年6月10日号)
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