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 11.30 厚労省要請 
 「医薬品の安定供給 一刻も早く」
   緊急会員署名296筆を提出
 協会は11月30日、保団連が主催する厚労省要請に参加し、「医薬品の安定供給を求める緊急会員署名」296筆を厚労省に提出、一刻も早い安定供給を訴えた。要請には竹田会長と事務局が出席した。
 また、同日には、県選出国会議員など9氏を訪問して同要請を行ったほか、「診療報酬の大幅な引き上げを求める医師・歯科医師要請署名」187筆を手渡し、理解を求めた。

厚労省に医薬品の安定供給を要請する竹田会長(右)
本村伸子衆議院議員(左)と懇談
 厚労省要請では、厚労省から医薬局、医政局、保険局の担当者7氏が出席。担当者を前に竹田会長は、“診察しても投薬ができないと念押しして診療している実態”や“代替薬への変更により病状悪化が複数生じている事例”など、緊急会員署名に寄せられた意見(左掲)を紹介した。そのうえで「強引な後発医薬品の使用促進など厚労省の政策の失敗が今日の事態を招いている。医療従事者の声に真摯に耳を傾けてほしい」と述べ、一刻も早い医薬品の安定供給を要請した。
 また、後発医薬品が存在する先発医薬品(長期収載品)を使用した場合には、その差額を一部負担金とは別に徴収する仕組みが検討されている点にも言及。「当会で2015年に『後発医薬品の使用等に関するアンケート』を行い、8年も前から長期収載品の薬価を後発医薬品並みに引き下げれば参照価格制は不要だと主張してきたのに、この方向に改善されることはなく、改悪されて現在の混乱を招いている。今回の薬剤自己負担は完全に中止すべきだ」と訴えた。
 午前中には、吉田統彦衆議院議員(立民・愛知、医師)、本村伸子衆議院議員(共産・比例東海)と懇談。診療報酬大幅引き上げ、医薬品不足問題、マイナ保険証問題などについて要望した。医薬品不足については、「薬剤だけでなく、検査キットも不足し診断できない。診療を続けられない」など署名に寄せられた声を紹介し、早急な改善を訴えた。なお、「現行の健康保険証を残してください請願署名」1292筆は吉田議員を通じて国会に提出した。

緊急会員署名にご協力いただき、ありがとうございました。


緊急会員署名に寄せられた意見(抜粋)

【医科】

○ 政府の社会保障費抑制策として行った後発医薬品の薬価引き下げがメーカーの不採算状況などを生み、供給が不安定化した主因であると断言したい。

○ 前もって対策がとれなかったのか疑問です。薬局も含めて現場は混乱しております。政治的失策と言われても仕方ないと考えます。

○ 国が主導して医療機関に何とか薬を届けてください。今後このようなことがないよう、薬の安定供給のシステムを構築してください。GLP-1注射薬がまったく足りません。何とかしてください。

○ 人類の努力の結晶である薬物療法。この医薬品を財政、政治の道具として政治、官僚の思惑に従って犠牲にするのは正論ではない。日本の国、国民の固有の「軸」を無視し、合理性などを中心とし、国民との無数の対話をしなければ日本が衰退し、やがて滅びてしまう。

○ 受診したが治療薬がなければ、患者負担が無用に増える。これは、医療者にとって不本意であるし、内心耐えがたい苦痛です。製薬企業にも是正を求めるとともに行政の指導の在り方を適正化していただきたい。詰まるところ、過度の医療費抑制策は理にかなわないと考える。

○ まともな医療ができなくなっている。すでに医療崩壊は始まっている。目新しい医薬品は薬価は高くもてはやされるが、本当に必要な薬品は安価で効果が保証され安全な旧来の薬品だ。小林化工問題では厚労省の処分が厳しすぎたためにジェネリック各社はリスクをおかさなくなった。薬価評定にも問題があり、薬品供給のコントロールは厚労省の責任である。

【歯科】

○ 命と健康のために最も重要な薬品が手に入らないなんて非常事態です。我々歯科医師でも実感しています。厚労省、何とかしてほしい。

○ 国は国民を見捨てているとしか思えない。

○ 国民の健康を守るための政策を常に留意していただきたいと思います。他国に頼るのではなく、自国で薬品の安定製造ができるようにするべきでは?



(岐阜県保険医新聞2024年1月10日号)