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保険医新聞10月号主張

新政権への要望
地域医療の充実のために
 新自由主義政策の推進と米国に追随しての防衛力強化に邁進する政治により、格差が拡大し経済も低迷を続けている。来年度予算の各省庁の概算請求において、社会保障・教育・中小企業対策など国民生活のあらゆる分野の予算を圧縮し、防衛費につぎ込むものとなっている。防衛省は過去最大の8兆4万5389億円を要求し、これにより3年間で1.6倍となった。一方、社会保障費は、高齢化による自然増が昨年比1100億円減額されて、4100億円となっている。診療報酬の実質マイナス改定、マイナ保険証のごり押し、医療・介護の負担増強行は、このような政治に根源がある。

 社会保障拡充を実現するには政治を変えることが不可欠である。国民一人ひとりが、軍事優先、格差拡大容認の新自由主義の政治ではなく、いのちと暮らしを優先する政治への転換を託せる政治勢力を見抜き、選挙を通じてその思いが反映する国会を実現することである。新政権へは軍事優先ではなく社会保障拡充の政治への転換を患者・国民とともに求めていく。

 マイナ保険証をめぐっては、国民の中に「12月2日以降、保険証は使えないのか」との誤解や不安が広がっている。これは政府がマイナ保険証の推進ばかりを強調するために生じた国民の疑問である。この疑問に政府は適切に周知していないため、当会は、①12月2日以降も現在の保険証は最大1年間使用できること、②マイナカードを保険証に紐づけていない場合には、資格確認書が送付されるので心配なく保険診療が受けられること、③10月からは希望者は保険証紐づけの解除ができること等の情報提供を行っている。

 また、医薬品では「長期収載品」の選定療養化が10月1日から導入された。これは、本来の選定療養とは異なる運用上の逸脱であり、これをきっかけに薬剤のみならず選定療養の範囲が広がり、保険給付範囲の縮小につながることが懸念される。また、後発医薬品の供給不足が続く状況にもかかわらず、後発医薬品に誘導するような施策は、更なる供給不足を増長する。この制度そのものの中止・廃止を求めていく。

 我々は、地域医療を充実したものにするために、引き続き保険証廃止の撤廃、診療報酬の引き上げと改善、患者負担の軽減を求める。

(2024-10)