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保険医新聞11月号主張
花粉症の薬、シップ等を医療保険の対象から外さないでください
協会は秋から「花粉症の薬、シップ等を医療保険の対象から外さないでください」の署名活動に取り組みます。健康保険組合連合会(健保連)が8月23日、花粉症のOTC類似薬(医師の処方が必要な医療用医薬品が、ドラッグストアでも購入可能になった薬)の保険適用除外・自己負担率の引き上げを求める提言を発表し、大きな波紋を広げています。9月初めのNHKの世論調査では花粉症治療薬の全額自己負担に、六四%が「反対」しています。これまでもシップや保湿剤、漢方や風邪薬などを医療保険給付から外すことが検討され、国民の大きな反対の世論で見送られてきました。
医療機関を受診せずに薬局やドラッグストアで購入した薬を飲み、かえって症状が悪くなり、重症化した例はたくさんあります。先般、会員の皆様にご協力いただきました「診療報酬の引き上げと患者窓口負担の軽減を求める医師・歯科医師要請署名」の「私の一言」欄に「市販点鼻薬の多くに血管収縮剤が含まれており、最初はよく効くが使い続けることでだんだん鼻内の粘膜が硬くなり、元に戻らない鼻閉を生じる薬剤性鼻閉は今後社会問題になるのではないかと心配しており、抗アレルギー薬のOTC化はアレルギー性鼻炎に対する患者の知識不足を助長し間違った薬のチョイスによる薬剤性鼻炎などの有害事象を引き起こす危惧があります」との大変貴重なご意見を頂きました。何としても花粉症治療薬の保険外しを阻止する必要があります。
政府は今、「全世代型社会保障」を掲げていますが、その内容は①75歳以上の患者負担2割化、②シップや風邪薬、痛み止めなどドラッグストアで買える薬を医療保険から外す、③要介護1・2の生活援助サービスを介護保険から外すなどが検討されています。消費税が10%に増税されこれは「社会保障のため」といっていたはずが、身近な花粉症の薬やシップ等が保険から外され全額自己負担になる政策は明らかに矛盾しています。断じて許容するわけにはまいりません。今回の請願署名は大変わかりやすい内容となっております。必ず患者さんの共感を得られるものと確信しております。是非とも患者さんとともに署名運動の程よろしくお願い申し上げます。
この署名を皮切りに、毎年行っております「患者負担を増やさないことを求める請願」(通称「ストップ!患者負担増」)請願署名を今年の冬から取り組む予定です。さらなる社会保障の給付抑制、患者負担増があらゆる世代をターゲットとして着々と進行中です。これまでの署名運動で多くの社会保障改悪政策を食い止めることができましが、署名運動をやめた途端に一気にこの社会保障改悪政策が進行することが懸念されます。粘り強く社会保障充実政策を求め患者さんとともに頑張るために、署名を繰り返すことは大変重要であると考えております。皆様の絶大なるご協力をお願い申し上げます。
(2019-11)