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保険医新聞11月号主張

第4次安倍内閣に社会保障の充実を強く求める
 10月22日、第48回衆議院選挙が行われた。事前のマスコミの予想通り与党はほぼ現有議席数を維持し「大勝」となり、減らしたとはいえ日本維新の会やそれと連携している希望の党と併せて7割以上の議席を占めた。おそらく政権は今後の4年以内に憲法「改正」と10%への消費税増税をすすめると考えられる。立憲民主党が野党第一党になったが、どこまで力を発揮するかが問われる。

 台風21号の大雨の中投票に行っても、選挙速報を見れば予想通りなのが少し残念。予想技術が進歩したことと台風で投票率が伸びず、すぐに予想通りの結果が出てしまっても致し方ないのかもしれない。世論調査では内閣支持率低下が報じられていたが、それにもまして野党分裂に嫌気がさしたのか、予想以上に野党の議席数が伸びなかった。
 岐阜選挙区に目を向ければ実質「全員再選」で、今井議員が民進党から希望の党に移ったことと金子議員が世代交代しただけであった。

 安倍総理は、選挙前に教育無償化への消費税増税分の使途変更を唐突に打ち出した。「人づくり」「全世代型社会保障」を言うならば、真に国民生活を支える社会保障対策にしっかり予算をまわしてもらいたい。従前のように逆進性の高い消費税が結果として大企業を支える減税に姿を変えるなら元も子もないであろう。社会保障費見直しといっても厳しい生活環境の中、高齢者の年金削減もこれ以上はできず、子どもや高齢者等の生活弱者対策はむしろ手厚くしなければならない。

 消費税が10%になれば、医療機関の損税が大きく膨らみ医院経営に大打撃となる。保団連は医療費へのゼロ税率適用を提言しているが、とにかく何らかの対策を行わなければ地域医療の担い手である小規模開業医にとってもボディーブローとなる。

 森友・加計問題では疑惑隠しと説明責任の回避に終始したが、今後は丁寧な説明をともなった慎重な国会運営を望みたい。憲法問題はその最たるもので、与党は今回の選挙で多くの議席を得てはいるものの、70年間戦争をしていない日本を東アジア諸国が危惧するような国にしてはならない。また沖縄の負担軽減のためにもまず、早急に日米地位協定の見直しを行うべきではないだろうか。
 これから更に4年間、ぜひみんなが笑える日本を目指していただきたい。

(2017-11)