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理事会声明

【理事会声明】
利用者負担2割に向けた
介護サービス利用者の負担増計画に反対する!!
 「骨太の方針2019」において年金及び介護については、必要な法改正も視野に2019年度末までに結論を得るとしている。新経済・財政再生計画では、介護は「所得のみならず資産の保有状況を適切に評価しつつ、『能力』に応じた負担を求めることを検討」となっている。ケアプラン作成費に自己負担導入、介護サービス利用時の自己負担(原則1割)で2、3割負担の対象者拡大、要介護1、2の人への生活援助サービスを市区町村事業に移行などが検討課題とされている。

 重要な社会保障制度の一つである介護保険は、2000年に「介護の社会化」を理念に掲げ利用者負担1割でそれに見合った給付を保障するという約束でスタートした。2015年改定では一部2割負担が導入され、2018年8月からは一部3割負担も導入されるなど様々な改悪が行われてきている。さらに財務省・財政審は将来の「制度の持続可能性」、「給付と負担のバランスの確保」などを理由に原則2割負担導入を主張している(現在の新経済・財政再生計画では具体的には述べていないが)。「利用者負担を原則1割から2割に引き上げる」政策が実施された場合、いまでも厳しい状況にある高齢者の生活と介護が守れない事態を招くことは想像に難くない。必要な介護を受けることができず、病状の悪化が懸念される。この話を聞いた特別養護老人ホームの職員は「現在の利用者の半数以上は支払いができなくなり退所せざるを得なくなると思います」と言っている。わずかの収入があるために2割負担となっている利用者の中には支払いでできないため必要な介護を削って生活せざるを得ない状況を招いている高齢者は少なくない。すべての利用者の負担を1割に戻すべきである。

 医療と介護が密接な関係にあることは明らかである。介護保険改悪案を2020年の通常国会で成立させ、2020年6月の「骨太方針2020」では医療改悪のメニューを明記する予定とのことである。この中の最も重要な内容の一つが「75歳以上の患者負担を原則1割から2割に引き上げる」ことと「薬の公的医療保険適用の範囲見直し」である。

 介護保険利用者負担増は大変重大なことであり、現在以上の負担増は生活と介護を守ることができなくなることに繋がる。「公益社団法人認知症の人と家族の会」などからも強く反対する声明が上がっている。介護保険利用者負担増に強く反対を表明する。

2019年9月13日

岐阜県保険医協会 第7回理事会