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理事会声明

【理事会声明】
技術料を中心に10%以上の診療報酬の引き上げと
介護報酬の大幅な引き上げを求める
 診療報酬は医療機関の経営の原資であるとともに、患者が受ける医療の内容や質・量を規定するものである。患者に安全・安心な医療を提供するために、必要な人件費や設備関係費を確保できる技術料の評価が不可欠である。一方、財務省は、診療報酬は「医療機関の収入」である一方、「国民の負担」であるとして「国民の負担抑制」を診療報酬引き下げの口実としている。また、「賃金や物価の水準と比べて高い」として本体部分のマイナス改定を主張している。

 2002年からの連続4回のマイナス改定は、医療現場を疲弊させ、「医療崩壊」を引き起こした。これを元に戻すだけで8%以上、さらに14年の消費税対応分を除いたマイナス1.26%を考慮に入れ要求していくべきである。診療報酬の引き上げを国民負担と対立させる単純な見方は明らかに誤りであり、われわれ医師・歯科医師は地域医療を担うものとして真正面から正々堂々と要求すべきである。そのことと併せて患者が安心して受診できるように窓口負担が軽減されることは共に実現されなければならない。

 11月8日に中医協に示された「第21回医療経済実態調査」では、2016年度の一般診療所全体の損益率は13.8%であり損益率の悪化の傾向が続いている(2015年度は14.0%)。一方一般病院の損益率はマイナス4.2%と「過去3番目に悪い数値」となっており、厳しい実態が明らかとなっている。医師不足と長年の診療報酬抑制を背景に、長時間勤務による医師の過労死が相次ぐなど、医療現場の過重労働が大きな問題となっている。介護分野においても10月26日に示された介護事業経営実態調査結果では、16年度の全体の平均収支差率は3.3%で大幅に低下している(前回調査14年度7.8%)。

 診療報酬、介護報酬の引き下げは、社会保障充実を心から願う国民の期待に背を向けるものである。マイナス改定によって医療機関や介護事業所の経営悪化や現場の労働環境の悪化がさらに進み、閉鎖や縮小などがおこれば患者や地域住民は医療へのアクセスが制限され「医療崩壊」を招くことになる。われわれ医師・歯科医師は地域の安全・安心の医療・介護供給体制を保持するため診療報酬技術料の10%以上の引き上げと介護報酬の大幅な引き上げを求める。

2017年11月17日

岐阜県保険医協会 第9回理事会