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2018年度診療報酬・介護報酬改定

談話「今次改定を私はこう考える」
 今回の診療報酬改定では0.55%の改定率アップとほのかに期待を寄せた方はまた裏切られたと思われたことでしょう。基本診療料(初診・再診)を上げる原資としては不足しているとみるべきだろうか。
 その為に「適正化」と「評価」という言葉を多用して政策誘導をさらに推し進めた結果と思われる。
 主な改善項目は、「静脈血採血料」「創傷処置1 100㎠未満」「熱傷処置3~5」「鶏眼処置回数1→2回」「ダーモスコピー要件緩和」「複数医療機関による訪問診療830点」「認知機能検査(長谷川式簡易知能評価スケール・MMSE等追加)80点」「妊婦加算(初診)75点・(再診)38点」。
 問題は有るが検討すべき新設項目は「機能強化加算(初診時)80点」「小児抗菌薬適正使用支援加算80点」「小児運動器疾患指導管理料250点」「包括的支援加算150点」「オンライン診療料70点」で算定要件があり申請が必要では有るが無視できない。
 リアルタイムなコミュニケーションを可能にするオンライン診療は必ず必要とされる技術であるが、その利活用の在り方が問われる。安易な診療による医療事故・過誤が危惧されるが、対面診療の補完としては期待されるべきだし正しく導入・運用して頂きたい。
 動向を注視しなければならないのが、「ベンゾジアゼピン長期処方」です。来年4月1日以降で1年以上継続した処方では減算されます。「不安又は不眠に係る適切な研修を修了した医師であること。」と但し書きにある研修会が平成30年度に日本医師会で実施される見込みなのでこの機会を逃さないようにして頂きたい。
 今期「連携」「共有」「情報提供」という言葉に合わせてカルテ記載のみではなく新たに書式の記載要件が増えたように思う。医療秘書を擁しない零細医療機関に過大な負担をしいる制度改定になった。連携共有するためには何らかの伝達手段が必要であるが、そこでICTの利活用を進めるための診療報酬を当てられるように検討するべきと考える。今後も「加算」「指導料」とセットで記載種類が増していくことがないように保険医協会の運動に繋ぎたい。
 保団連でも事務作業の効率化・合理化や情報利活用の推進について以下のように提言している。
 レセプトの算定理由等を記載するときには選択式とする。レセプト添付資料は廃止し、必要最小限のレセプト記載とする。電子レセプトの患者氏名のカタカナ・住所・郵便番号の併記追記を求めないこと。
 当岐阜県保険医協会は保団連とレセプトデータ利活用ありきの問題点を今後も追求して参ります。

(2018-4)


 平成30年度診療報酬改定での歯科診療報酬本体は0.69%増となった。厳しい歯科医療経営を考えると、極めて低い改定率と言わざるを得ない。主な改定項目としては、昨今のハンドピース使い回し問題を受け、院内感染防止対策の施設基準を新設し、届出医療機関の場合は初・再診料ともに3点アップ、逆に届出のない医療機関の場合は、初診料八点マイナス、再診料も4点マイナスとなった。実態にそぐわない点数で導入し、施設基準を設け、実施責任を保険医療機関に求めることはいかがであろうか。すべての保険医療機関に必要欠くべからざる対策を十分に賄えるような評価点数が必要である。

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 前回改定で導入された「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)」は、地域医療推進を目的としてさらに高い施設基準を設け、処置などの包括化と引き換えに高い点数設定による経済誘導が行われている。
 改定内容全般を通して強く感じることは、新設項目には設備や研修などの施設基準や、複雑多岐に渡る算定要件も課せられており、一般的な歯科診療所との峻別をさらに加速させる改定と言わざるを得ない。

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 また、今回改定においても、歯科衛生士や歯科技工士の技術が診療報酬上、正当に評価されていない。現在、社会的な問題になりつつある歯科技工士の長時間労働、低収入を改善するための改善策が盛り込まれていないことは誠に残念である。
 全国いつでも、どこでも、誰もが診療費を心配することなく、保険で良い歯科治療を享受できる世の中にするためにも歯科医療費総枠拡大と診療報酬の抜本的改革が緊急の課題であると思われる。

(2018-4)