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決 議

第44回定期総会決議
「命と健康を守る医療・介護提供体制の構築と
安心できる国民の暮らしを求める」
 新型コロナウイルス感染症は、政府の長年にわたる社会保障抑制による医療提供体制や公衆衛生行政の脆弱さを露呈した。菅政権のGoToキャンペーンへの執着により、感染を全国に蔓延させ、国民生活の困窮や経済低迷に追い打ちをかけた。
 医療機関では、日々の感染防止対策費用がかさみ、患者減、収入減による経営悪化から未だ回復していない。感染患者を受け入れる公立・公的・民間病院や、保健所機能を削減・縮小させた結果、急増する感染症への対処を困難にし、県内でもコロナ患者の病床使用率が一時、中濃圏域で100%に達するなど、医療崩壊が現実味を帯びる事態に至った。検査体制拡充や病床・ワクチンの確保などコロナ禍から国民の命・健康を守る施策の拡充は一刻の猶予も許されない。
 感染拡大が日々報じられる中、不要不急の外出自粛や治療の延期、長引く受診抑制により高齢者の心身の健康状態も悪化している。その上、75歳以上窓口負担2割化が推し進められては、2倍の窓口負担を心配し、更なる受診抑制、重症化を惹き起こしかねない。
 国民や医療者が強く願うことは、政府の社会保障費抑制政策を転換し、国民の命・健康を守る医療と介護提供体制を構築すること、一日も早くコロナを終息させ、安心できる暮らしをとり戻すことである。
 私たちは、保険医の生活と権利を守り、国民の医療・社会保障の充実・発展に力を尽くすために、下記の項目の実現に向けて全力で取り組む決意である。


一、新型コロナに伴う医療機関の減収補填を速やかに行い、検査体制拡充、公衆衛生行政拡充、ワクチン・治療薬の有効性検証と安定供給体制を構築すること。

一、75歳以上窓口負担2割化など、医療・介護の患者負担増計画は中止すること。

一、安全・安心の医療、介護を提供できるよう、診療報酬、介護報酬を大幅に引き上げること。

一、地域医療構想に基づく公立・公的の再編・統合を中止すること。

一、歯科用貴金属材料価格の安定化を図るとともに制度の改善を行うこと。

一、唯一の戦争被爆国として、核兵器禁止条約への署名、批准を速やかに行うこと。

一、原発再稼働を中止し、再生可能エネルギーを中心とした政策への転換をはかること。


 以上決議する。

2021年2月28日

岐阜県保険医協会 第44回定期総会