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「75歳以上窓口負担2倍化」審議入り
 安心して受診できる医療を
 75歳以上医療費窓口負担2割化を含む健康保険法改正法案は、4月8日に衆議院で趣旨説明が行われ審議入りした。31本の法案をまとめた束ね法案にも関わらず、菅政権はわずかな審議日程での早期成立を目論んでいる。協会は、現役世代の負担軽減を名目に、コロナ禍の高齢者の健康悪化を招きかねない窓口負担2倍化撤回を求める運動を一層強めた。

政府案がいかに国民生活を追い詰めるか審議を(4月13日)


 協会は4月13日、2月から取り組んできた「75歳以上医療費窓口負担2割化撤回を求める請願署名」4,974筆を、可児市の今井雅人可茂事務所において竹田会長、池庭理事が提出し、4月8日から衆議院で審議が始まった健康保険法等改正法案について、「75歳以上医療費窓口負担2割化撤回」への協力を求めた。
 意見交換では、協会から「コロナ禍で経済低迷の中、窓口負担の支払困難な患者が増えており2割負担で受診抑制せざるを得なくなる」「複数の疾患を抱える高齢者に2割負担の余裕はない。受診抑制、服薬間隔を延ばす、食費の切り詰めしか手がない」「現役世代の負担軽減『年間350円』のために高齢者は2倍の負担金を払うのか」と撤回を訴えた。
 秘書からの窓口負担引き上げによる医療費削減効果の質問については、「経済的な不安なしに受診できるのが本来の医療の姿。医療費削減よりも健康悪化の負の側面が大きい」「心臓バイパス手術や脳卒中での寝たきり生活と比べれば、定期的に血圧管理した方が医療費は抑えられる」と説明し、早期発見・早期治療を妨げないためにも75歳以上医療費窓口2割負担は撤回への協力を訴えた。
 また所得が高い高齢者への追加負担を財源とする立憲民主党提出の対案についても意見交換し、秘書からは、「対案を国会で取り上げるためにも、政府案がいかに国民生活を追い詰めるかを説明し、それぞれの法案趣旨を質すよう議員に伝える。」と述べた。

“国会審議はこれから” 署名提出直前に2度目の街頭署名(4月10日)


 協会は、請願署名提出直前の4月10日にも高島屋前で2度目の街頭署名を実施。竹田会長はじめ役員5人と事務局3人が参加した。
 道行く通行人、買い物客に「2割負担で受診抑制により病気の早期発見・治療が遅れ、健康悪化・症状悪化を招きかねない。コロナ禍の受診抑制と重なり、命と健康をどのように守るのかが問われている」と訴えた。通行人からも「年金減額、保険料引き上げ、消費税も増えて生活は苦しい。2割負担は耐えられない」などの声も寄せられた。午後3時からの1時間で「75歳以上医療費窓口負担2割化撤回を求める請願署名」88筆、「ハガキ署名付きミニリーフ」も54枚を手渡し。計2回の街頭署名で、請願署名は269筆、ハガキ署名付きミニリーフは100枚を配布した。
 健保法改正法案は、4月23日までに衆議院厚生労働委員会で5日間にわたり審議され、医療費窓口負担2割化について、野党は負担増に伴う受診抑制・健康悪化を懸念する質問が続いている。協会では、負担増撤回に向け引き続き運動を強める。

(岐阜県保険医新聞2021年5月10日号)