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協会設立40周年
経営と地域医療を守る粘り強い運動を進めよう
第41回定期総会
 岐阜県保険医協会は2月25日、グランヴェール岐山で第41回定期総会を開催した。総会では、社会保障費自然増削減、診療報酬マイナス改定など厳しい医療情勢に対し、設立40周年の活動の蓄積と会員数1688人の組織の力で保険医の権利を守り国民医療改善の運動を推し進めようと方針を決定した。

 総会は河合副会長の司会で進められた。物故会員への黙祷の後、会長挨拶、来賓の紹介・ご挨拶をいただき、祝電・メッセージの紹介、議事へと進んだ。
 議長には松本俊廣先生が指名され、総会成立宣言、議事録署名人の指名を行い、議事を進めた。
 活動方針は、竹田副会長が「社会保障費削減政策のもと安心・安全の医療が脅かされているが、協会は、各種請願署名やクイズチラシなど、患者さんとの結びつきを強め運動を前進させており、2018年度も更に奮闘しよう」と提案し承認された。
 決算・予算は篠田副会長が提案しいずれも承認。会計監査報告は市橋監事が行った。
 向こう2年間の役員について西副会長が提案し、浅井会長をはじめ28人の役員を選出した。最後に総会決議を加野副会長が提案し採択した。
 記念講演は鹿児島大学教授・伊藤周平氏に「どうなる?医療・介護の行方」をテーマに講演いただいた。的確な現状分析による問題点の解明とそれを解決してゆく方向性を解説いただき、参加者からも「難しい内容を、わかりやすくお話いただいた」と好評であった。


記念講演 「どうなる?医療・介護の行方
 ― 社会保障の財源問題を中心に」

社会保障充実を求める運動に確信をもって進もう !


鹿児島大学大学院司法政策研究科
教授 伊藤周平氏
 安倍政権のもとで進む社会保障削減(6年で1兆6千億円の削減)と軍拡(4年連続過去最大を更新)が問題の根本にある。
 医療改革の柱の一つである国民健康保険の都道府県単位化は都道府県間で医療費削減を競わせる仕組みを構築するものである。介護保険は、要支援者の保険外し、施設利用の制限、2割負担の導入など問題が多く、高齢者の「尊厳の保持」に反する内容である。
 税制改革の方向は、消費税を社会保障財源とせず、所得税の累進性を強化し基幹税として再構築し、法人税率の引き下げを中止し課税ベースを拡大することである。消費税は当面引き下げ、将来は廃止すべきである。
 社会保障改革の方向は、社会保険(逆進性が強い)改革が必要であり、具体的には減免措置の拡大が不可欠である。介護保障については税方式への転換が必要である。年金財源については年金積立金の活用が重要である。
 医療の方向は、70歳以上の高齢者と乳幼児について無料化を国レベルで実現し、将来は政府を保険者としてすべての国民を被保険者とする医療保険制度を構築し、公費負担と事業主負担を増大させ10割給付の医療保障を実現すべきである。
 介護保険は限界であり医療は医療保険に戻し、福祉サービスは全額公費負担とする総合福祉法を制定する必要がある。
 最後に、生活や老後の負担を抱え、子育てや介護などの社会保障の充実を望んでいる多くの国民に現在の社会保障改悪をわかりやすく伝え、国民とともに社会保障の充実を求める大きな世論を巻き起こす必要がある。(副会長 竹田智雄)

(岐阜県保険医新聞2018年3月10日号)