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保険医新聞12月号主張

激動の1年を振り返って
75歳以上窓口負担2割化、オンライン資格確認義務化
 今年は医療界にとって激動の1年であった。年明け早々、これまでにないレベルのコロナウイルス感染・第6波が始まり、2月には全国で1日の感染者が2万人を超え、医療も逼迫し混乱をきたした。2月24日にはウクライナ戦争が勃発し、多くの生命が奪われ未だに先が見えてこない。当協会では理事会声明として「生命を脅かす戦争に強く反対をする声明」を発出した。

 4月には診療報酬改定が行われ、我々の「コロナ禍で疲弊した医療を再建する診療報酬改定を強く求める要求」は報われず、全体で0.94%のマイナス改定となった。また、6月後半からコロナ第7波が起こり、病院・発熱外来・検査医療機関は機能不全に陥った。7月には安倍元首相が選挙演説中に銃撃され死亡。その後の参議院選挙では、物価高騰を受けた緊急経済対策やコロナ対応、ロシアのウクライナ侵略に絡む安全保障などを争点に行われた。当協会では立候補者との懇談や「選挙に行こう、参議院選で選ぼう、安心のくらし」のリーフレットを会員に配り、社会保障の充実を求めたが、自民党が過半数を獲得し大勝し、「改憲勢力」は参議院の3分の2を上回ることになった。

 また、当協会では9月には「75歳以上医療費窓口負担2割化中止」と「マイナンバーカードによるオンライン資格確認義務化反対」についてマスコミ記者発表をし、理事会声明として「75歳以上医療費窓口負担2割化中止」を求めた。また、「新型コロナ第七波の緊急影響調査」を医科会員に行い、収入が減ったと答えた医療機関が31.6%に達し、解熱剤や咳止めなど必要な薬剤が足りない、HER-SYSによる報告の簡素化などを訴える医療機関が多いとの結果を得た。10月には、我々が強く中止を求めていた「75歳以上医療費窓口負担2割化」が実施された。配慮措置も設けられたが、医療現場での混乱を招いている。当協会では引き続き患者窓口負担の軽減を訴えていく。

 そして、中医協は「オンライン資格確認の導入義務化」について、療養担当規則改正を行い、来年4月に原則義務化する答申を出した。当協会では「マイナンバーカードによるオンライン資格確認導入調査」を実施し、利用者少なく、患者負担増、運用コストも懸念され、医師、歯科医師、患者にメリットが少ないという意見が多く出され、義務化反対を求めていく。

 その他、各自治体に「帯状疱疹ワクチンに関する陳情」を行い、任意予防接種費用の補助制度の導入を訴え、10月には保険証廃止方針に反対する声名も発出した。さらに、「18歳までの医療費窓口負担を無料に」の署名も開始し、「介護保険料の引き上げ」、「ケアプランの有料化」などに反対する介護保険制度の改善を求める署名も今後取り組んでいく。引き続き、当協会へのご理解および署名活動、アンケート調査へのご協力をお願いします。

(2022-12)