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保険医新聞10月号主張

 岸田新総裁に望む
 ―命と健康を優先する政治に―
 9月29日の自民党総裁選にて、岸田文雄氏が第27代自民党総裁に就任しました。  自民党の政策の根幹には、大企業優遇、規制緩和、自立・自助、弱肉強食と自己責任押しつけの新自由主義路線が存在します。コロナ禍でこの新自由主義は大きな間違いであったことが明白になり、世界では新自由主義からの転換を目指す動きが大きな流れになりつつあります。世界各国で、消費税の減税、大企業や富裕層への増税の流れが広がっています。バイデン米大統領は、四月の施政方針演説で、富裕層への課税、最低賃金の引き上げ、トリクルダウン経済からの決別を宣言しました。

 今起こっている医療崩壊の根本には、40年来の医療・公衆衛生切り捨ての新自由主義の政治があります。このコロナ禍において75歳以上の高齢者医療費窓口負担を2倍化する健康保険法等改訂法、病床削減を推し進める医療法改定を強行しました。

 2021年の「骨太の方針」には医療・介護のいっそうの負担増、病床削減の推進など歯止めない新自由主義のメニューがずらりと並んでいます。

 コロナ禍のいま、いつでも、どこでも、だれでもが安心して医療を受けられる先人がたゆまぬ努力で勝ち取った国民皆保険制度を守り、充実させることが求められています。

 2022年の診療報酬改定はとても重要であり、抜本的に引き上げ医療全体を底上げする必要があります。また医科・歯科ともに徹底した感染対策の努力を行っており、この努力を十分に支える診療報酬であるべきです。診療報酬削減路線から大きく転換する改定にしなければなりません。

 社会保障を充実し、一人ひとりが多様な生き方を認め合い、尊重しながら生きていける社会を政治が責任を持って実現していくことが求められています。憲法25条は、生存権の保障は国の責務だと謳っています。そのための医療・介護などを政治が支えねばなりません。人を守るのは社会保障・公衆衛生であります。国民に安全安心な社会を提供するために、医療・介護の充実は欠かせません。近日中に行われる衆議院選挙では、「なんでも自己責任」で、ひたすら経済効率を追求する新自由主義の暴走を許さず、なによりも個人の尊厳を大切に、生存権を保証する政治の実現を目指す必要があると思います。国民の命と健康を優先する政府の誕生を強く望みます。

(2021-10)