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第4次安倍改造内閣に社会保障充実を強く求める
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安倍首相は少子高齢化を最大の課題として位置づけ、この3年間に官邸主導で子どもから高齢者まで「全世代型の社会保障改革」を断行したい考えだ。この担当を経済再生相に兼務させ、記者会見では経済産業省主導の未来投資会議に検討させると発言した。
未来投資会議は「生涯現役社会の実現に向けた雇用・社会保障の一体改革」と銘打ち、65歳以上の雇用拡大に向けた討論を行うとしている。「税と社会保障の一体改革」のもと、国民に消費税増税を押し付けながら社会保障費への財源はその一部にしかすぎず、結局、社会保障費削減政策がすすめられたその延長線としかみえない。
政府は高齢者人口がピークに近づく2040年度に社会保障費が現在の1.5倍以上に膨らむと推計している。過大な数字を持ち出して国民の危機感を煽る常套手段である。そして「生涯現役社会」を掲げ、元気な高齢者がより長く労働に携わることで労働力不足を補い、社会保障制度を「存続」させたいとしている。
高齢者が元気でおられることは喜ばしいことだが、その本心が「社会保障に頼るな」ということでは本末転倒である。つまり肝心の「全世代」が安心できる社会保障政策や国民のために財源を確保しようという国の姿勢が見て取れないのである。具体策を示さざるをして国民の負担をさらに増大させることは明白である。
消費税率が10%になれば国民生活は増々困窮するであろうし、私達医療機関の損税はさらに増大し、医院経営に大きな打撃となることは必定である。地域医療を担う中小規模開業医は立ち行かなるであろう。
幕末の風雲児、長州藩高杉晋作の顕彰碑には「動けば雷電の如く、発すれば風雨の如し」と刻まれているという。揮毫したのは杉孫七郎で、撰文は高杉を讃え終生尊敬していた初代総理大臣伊藤博文である。山口県(長州)を選挙区に持つ安倍首相は高杉晋作を敬愛して止まないと聞いている。
ならば真の国民生活ファースト、真の実効性のある政策を遂行すべきではないだろうか。
(2018-11)
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