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保険医新聞5月号主張

診療報酬の不合理是正を求める!
 -医科診療報酬改定アンケートから-
 2018年度診療報酬改定は医療費抑制のための「入院病床」の抑制と「かかりつけ医機能」の推進が強引に行われています。「かかりつけ医機能の強化」として、地域包括診療料・加算、小児かかりつけ診療料、在宅支援診療所による在医総管などを届け出た医療機関で診るすべての患者の初診料に機能強化加算(80点・届出制)が新設され、国の考える「かかりつけ医」機能の有無で基本診療料の差別化が図られました。今後、かかりつけ医以外への受診時に受診時定額負担を導入するなどの施策が計画され、フリーアクセスの抑制が懸念されます。

 協会は4月2日から直ちに2018年度診療報酬改定アンケートを行いました。改定直後にもかかわらず29%(252/858)の回収率を得ました。アンケートの内容は①今回の改定全般に関する評価、②機能強化加算の評価、③抗菌薬の適正使用の点数化、算定要件化の評価、④複数医療機関による訪問診療の評価、⑤ベンゾジアゼピン系薬剤の長期処方の適正化の評価、⑥オンライン診療の点数化の評価の6項目であり各々、大いに評価、ある程度評価、あまり評価しない、全く評価しない、分からない、の5段階評価を行いました。結果はすべての項目において、大いに評価・ある程度評価を合わせた回答(以下、肯定的な回答)が半数を超えたものはありませんでした。その中で②③に肯定的な回答は4割程度であり、①④⑤⑥に肯定的な回答は3割以下でした。

 アンケートの最後に設けられた自由意見欄へ多くのご意見をいただきました。最も多くのご意見をいただいたものはベンゾジアゼピン系薬剤の処方制限についてであり「ベンゾがどうしても必要な疾患の人に処方しているのであって、それに投薬制限を設けるのははなはだ遺憾である。」など医師の裁量を無視した機械的な点数引き下げに不満の声が上がっています。「加算が多すぎる。ややこしいことはせず、初診料、再診料の本体を上げること」など開業医にとって最も基本となる初診料、再診料の引き上げを求めるご意見を多数いただきました。機能強化加算の80点は本来、すべての医療機関が無条件に算定できることが理想です。

 今回のアンケートにお答えいただいた会員の先生方に心から御礼申し上げます。協会は、今後も初診料、再診料などの基本診療料の引き上げ、診療報酬の不合理の是正と患者負担の大幅軽減を求め活動していく所存です。引き続き会員の先生方の御協力をお願い申し上げます。

(2018-05)