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保険医新聞5月号主張

ストップ!患者負担増
さらなる患者負担増計画の中止を求める署名にご協力を
 この4月から患者負担増となる紹介状なしでの大病院受診時の定額負担が義務化され、入院時の食事負担増が実施された。これに加え、さらなる患者負担増を計画しており今夏の参議院選挙後に具体化される。具体的には①受診時定額負担、②市販類似医薬品の保険外し、③入院時の居住費徴収、④後期高齢者2割負担化、⑤高額療養費限度引上げ、など新たな患者負担増・給付減が目白押しである。背景には「骨太方針2015」で高齢化などによる社会保障費の自然増を毎年5千億円程度に抑えようという医療「構造改革」路線がある。政府は、すでに2015年度までの3年間で1兆5千億円もの削減を行っている。強引な医療費削減に加え患者負担増を押し付ければ「医療難民」問題を深刻化させるのは明らかである。

 当協会は2015年11月から12月において患者受診実態調査を行った(回収率26.9%)。調査に協力いただいた会員の中で41.2%が「この半年間に、主に患者の経済的理由によると思われる、治療を中断する事例があった」と回答した。治療中断となった事例の多くは医科においては糖尿病、高血圧、脂質異常症、気管支喘息、うつ病などであり、歯科は歯冠修復・欠損補綴、歯周病、う蝕などで、いずれも定期的に療養管理が必要な疾患である。また、44.8%は「医療費負担を理由に検査や治療、投薬を断られたことがある」と回答している。窓口負担や患者の経済的な苦しさが受診抑制や治療中断につながり、医院経営にも影響を及ぼしている。さらに受診抑制が進むことは容易に予想されることであり、経済的理由のために本来受けるべき治療を受けられなくなり、患者が命の危険にさらされることに繋がる。患者にとって窓口負担は大変な重荷になっていることは明白である。

 今回の診療報酬改定は1.44%のマイナス改定であり、国民の健康と命を守るため日夜奮闘する医療人の尊厳を蔑ろにしている。これは、社会保障費削減目標達成のために診療報酬が狙い撃ちされたものである。この中で湿布薬の保険外しは処方枚数に制限が設けられたものの、反対署名で阻止できた大きな成果である。これ以上患者負担増を実施させないためにも、署名は我々の最も効率かつ有効な訴えの手段である。日々、診療所を訪れる患者こそが当事者である。署名依頼は患者の声をよく聞くことにつながり、また地域医療に取り組む医療機関の診療レベルの向上に寄与する。

 現在、署名運動として、「ストップ!患者負担増 さらなる患者負担増計画の中止を求める請願」を行っている。請願事項は①受診するたびに100~500円窓口負担に上乗せしないこと。②75歳以上の窓口負担を2倍にしないこと。③70歳以上の患者負担限度額を引き上げないこと。④湿布薬、うがい薬、痛みどめ、漢方薬などを公的保険から外さないこと。の4つである。国民医療の向上をめざし、国民皆保険を守るためにも是非とも会員皆様の絶大なるご協力をお願いする次第である。

(2016-5)