Contents
Home 
会長挨拶 
保険医協会とは 
医療制度改善 
協会の主張 
診療報酬改定 
医科研究会 
歯科研究会 
その他の行事 
保団連の書籍 
役員一覧 
事務所ご案内 

理事会声明

【理事会声明】
高齢者のいのち・健康・人権を脅かす「75歳以上医療費窓口負担2割化」中止を
内閣総理大臣 岸田文雄 殿
厚生労働大臣 加藤勝信 殿

高齢者のいのち・健康・人権を脅かす「75歳以上医療費窓口負担2割化」中止を



 75歳以上の医療費窓口負担二割化法が2021年6月に可決され、2022年10月から75歳以上で年収200万円以上の人(約370万人)の医療費窓口負担が2割になり、高齢者のいのち・健康・人権を脅かすことになる。

 新型コロナの感染拡大が続く中、受診控えによる疾病・心身の状態悪化が多数報告されている。新型コロナ感染者で重症化する割合が高いのが高齢者であり、高齢者ほど高血圧、糖尿病などの基礎疾患を抱えている。窓口負担の引き上げは高齢者の早期治療の機会を妨げ、健康の悪化といのちの危険にさらされることに繋がる。

 75歳以上の年収に占める患者負担額の比率は、40代の3倍以上となっている。高齢者の負担割合が1割で、現役世代の3分の1であっても、決して不公平ではない。高齢者の多くは、年金が目減りし、消費税の連続増税、保険料上昇、相次ぐ物価高騰の中、貯蓄を切り崩し、働き続けながら、必要な経費も切り詰めて、どうにか生計を維持している。政府は現役世代の負担軽減を負担増の理由にあげているが、年収200万円以上を対象に2割負担を導入しても、現役世代の負担軽減は1人当たりわずか月額約30円の減額である。応能負担は窓口負担にではなく、保険料・税金にこそ求めるべきである。

 今、必要なのは、国民の生活、生業の保障である。病床や検査体制の確保、速やかなワクチン接種など感染拡大の防止と医療提供体制を立て直すことであり、医療や介護の負担を軽減し、すべての人が安心して医療と介護が受けられるようにすることである。当会は患者・県民の命と健康を守る医師・歯科医師の団体として、政府・厚労省に対して、75歳以上医療費窓口負担2割化は高齢者の暮らしといのち・健康・人権に大きな影響を及ぼすため中止を求める。

令和4年9月7日

岐阜県保険医協会 第7回理事会