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政策部長談話



 2月24日に開始されたロシア軍によるウクライナ侵攻では、病院や民間施設等への無差別攻撃、民間人虐殺など、重大な人道上の危機が報道されている。ロシア軍をウクライナから撤退させるために、国際的な世論を広げてプーチン政権を追い込んでいくことが必要である。

 生命と健康を守る我々医師・歯科医師は、開業医宣言―保団連の医療に対する基本姿勢―を持ち、その本文10、平和の希求の項目において「人命を守る医師はいかなる戦争をも容認できない。私たちは歴史の教訓に学び、憲法の理念を体して平和を脅かす動きに反対し、核戦争の防止と核兵器廃絶が現代に生きる医師の社会的責任であることを確認する」と記されている。社会保障の充実は平和なくしてはあり得ない。国際紛争を解決する手段は、粘り強い対話であり断じて武力ではない。憲法九条を持つ日本こそ、国際紛争解決のために外交努力すべきである。

 第一次世界大戦、第二次世界大戦での塗炭の苦しみ、多大の犠牲によるあのような惨禍に人類が二度と経験することが無きように世界平和、戦争無き世界実現に向けて全世界が国連憲章にその思いを託した。その反省と教訓から今後の国際紛争解決のためには武力行使ではなく、徹底的な外交手段に基づくべきであると世界が誓い合ったのであり、国連憲章第1章第2条3項において「すべての加盟国は、その国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危くしないように解決しなければならない」と記されている。武力行使ではなく徹底的な外交手段を尽くすとは、紛争解決のために、戦争と武力による威嚇または、武力の行使は行わないということである。

 戦争と武力による威嚇、武力の行使は行わないとは、即ち、戦争放棄、戦力不保持、交戦権否認であり日本国憲法第九条そのものである。今のロシアによるウクライナ侵攻に乗じて憲法九条改憲論議を誘導・加速させることは国連憲章と正反対であり、断じて容認できない。

(2022-07)