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2020年度診療報酬改定

談話「今次改定を私はこう考える」
【病院】
 改定の特徴は、初・再診料、入院基本料、特定入院料などの基本診療料本体点数が全く引き上げられなかったことである。調剤料がプラス2点、静脈血採取料がプラス5点、点滴注射の手技料が「その他の場合」を除きプラス1点となった。
 入院医療の再編・統合と機能分化の加速化、病床削減・再編のための施設基準の強化、地域包括ケア病棟のサブアキュート評価、重症度、医療・看護必要度の見直し、リハビリ実績指数の強化がされている。施設基準に合わないと介護施設への移行を余儀なくされ、ひいては地域医療の崩壊に繋がる。
 「医療機能情報提供制度」を利用したかかりつけ医機能の強化や新型コロナウイルス封じ込めとしてオンライン診療の推進が始まろうとしている。
 特に病院では、①地域医療構想、②医師・医療従事者の働き方改革、③医師偏在対策に配慮が求められる。点数財源の乏しい中での改革が進められようとしている。
 新型コロナ感染症(COVID-19)が国内でもパンデミック状態が続いている。
 西洋医学はウィルヒョウの細胞病理学に基づいた分析医学で炎症・新生物(悪性腫瘍)・退行性病変(老化)・奇形に分類される。
 この新型コロナウイルス感染症は炎症に分類される。高熱や肺炎の症状を引き起こす。原因は新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)と特定され感染経路は接触・飛沫・エアロゾルで、PCR検査で確証できる。しかし、治療薬は無く、今のところワクチンも無い。
 そのため予防を主体とした防疫体制をとっているが、水際作戦や空間軸(東京)・時間軸(2週間)の対応で収束しそうにない。なぜなら感染症は「いるか・いないか」の診断が最優先で、PCR検査で見つけ根絶作戦が必要。新型コロナは、宿主病原体との関係において、重篤6%、重症14%、軽症80%(新型コロナウイルス感染症対策専門家会議「新型コロナウイルス感染症対策の見解」より)、その他多くの情報から無症状(不顕性感染)6%と考えられ、いずれも感染力を有する。致死率は1%強。
 PCR検査で新型コロナ(+)ならトリアージ(重症度判定)で治療体系を組み、重症者は病院で救命治療を、軽症者・不顕性感染者は隔離を要する。
 感染確認数が増えているのは、3月24日にオリンピック延期が決定するまでPCR検査にブレーキをかけていたが、検査を増やしてきたからである。
 全世界はパンデミック状態で、自然界相手に科学的・医学的手法で真摯に対策しないと収束が長引く。人との接触・飛沫感染防止のため人事交流にブレーキをかけ、飲食店・接客サービス業の経済活動を抑制する現在の政治的対策では完璧では無い。
 新型コロナウイルスの影響で改定情報の伝達が遅れており、医療機関が情報不足で点数を算定できないなど不利益を被らないよう、迅速な情報伝達を求める。

(2020-5)