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病院委員会 委員長談話

 2016年度診療報酬改定は、「社会保障・税の一体改革」に基づき、団塊の世代が75歳以上となる2025年を視野に入れて「経済財政運営と改革の基本方針2015」(骨太方針)により、社会保障予算1700億円削減を目標に、実質マイナス1.44%改定になった。

 今回の改定の重点課題は、「地域包括ケアシステムの推進」「医療機能の分化・強化、連携に関する視点」で、技術やマンパワーの評価をせず、在院日数の縮小と重症度評価の低い患者の早期退院を促す。すなわち、入院から在宅へ、施設から地域へ、医療から介護への流れを示し、入院の再編と機能分化・強化と連携を図る。

 患者を高度急性期 → 急性期 → 回復期 → 在宅・施設へとより多く、早く移す。患者の病状・希望や医療体制の在り方を軽視。病院ベッド数を現在よりも16~20万床減らし、30~34万人を自宅や介護施設へ流し、2025年の病院ベッド数を115~119万床とする計画である。

 ①急性期病棟は、特に7対1病床の要件を一層厳格化する。「重症度、医療・看護必要度」に対象患者を拡大して基準値を15%から25%に引き上げる。また、在宅復帰率についても75%から80%へ引き上げたため、中小病院や内科系病院で7対1看護体制を継続するのは困難になってきている。短期滞在手術等基本料3の要件強化により、平均在院日数を満たすことが一層厳しくなった。退院促進のための点数はより評価されている。
 ②地域包括ケア病棟は、点数を据え置いて手術料が出来高で算定できるようになった。回復期病棟ではアウトカム評価が設けられた。
 ③療養病棟は、「療養病棟入院基本料2」で医療の必要度が高い医療区分2又は3の患者が5割以上必要になり、9月までの経過措置がついている。医療必要度が「低い」患者は受け皿の保障がないまま、入院が継続できなくなる可能性がある。介護療養病床六万床と、医療療養病床約21万床のうち「療養病棟入院基本料2」の約8万床を2年後の2017年度末に廃止する予定。
 また、国保の都道府県化の動きが具現化され、地域医療計画の策定や医療費適正化などによる供給体制再編の議論にも影響が出てくる。
 ④有床診療所では、「在宅復帰機能強化加算」が新設され、7対1病床や地域包括ケア病棟からの退院患者の受け入れ先の役割を担うこととなる。

 いずれも、複雑な点数が一層複雑化し、医療保険・介護保険との整合性に矛盾が生じつつ、2018年同時改定へ向けての歩みを早めている。

 生命や健康を守る社会的資源としての医療・福祉、施設・在宅、少子・超高齢・少数化の中で、金よりも命を大切にする社会であってほしい。消費税アップもままならぬ経済状況の中にあって、安心して暮らせる仕組みの再編を強く望みたい。

(2016-7)