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医科社保部長談話

 改定資料を読み解くキーワードとして「評価する」=新設・増点、「適正化」=減点。2025年に向けて地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化・連携推進に向けた改定項目が並んだ。

 地域包括ケアシステムとは、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることが出来るように、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されるシステム。
 今回の改定も、過去2回に引き続き団塊の世代が75歳を超える2025年を視野にいれて、医療への国庫支出を抑えることを狙いとしている。

 公表された改定率の資料では、割合や削減額を明示しない「外枠」が増え厚労省が意図的に実際のマイナス部分を見えにくくしている。協会けんぽへの国庫支出金200億円を加えると1695億円となり、2016年度予算の財務省が目標とした社会保障削減1700億円のほとんどを医療への国庫支出削減で賄うことになる。
 地域包括ケアシステム・地域医療構想に沿った医療介護提供体制再編のための政策的意図が明白な改定であり、2018年の医療・介護の同時改定の為の布石となっている。
 また厚労省の「保健医療2035提言書」でも内科系医療機関は今後10年で「ゲートオープナー」機能を確立するように示されている。そのため「かかりつけ」「地域」「在宅」「連携」といった言葉の付いた加算や新規点数が目立つ。

 情報通信技術(ICT)を活用した医療連携や医療データの収集・利活用に関する算定内容についても、新たに盛り込まれた。検査画像提供加算が新設され、紹介元・紹介先がそれぞれ算定可能とされこれを原資に益々インターネットを利用した連携が進むものと思われる。
 こうしたネットでやり取りするときのセキュリティーはウィルスだけで無く、扱う人が正しく守秘義務を履行できるか、医師会を通して多職種の施設間との守秘義務契約を締結しておくべきと思われる。その先に国はカルテを管理するようなことを考えていないことを期待する。

 その他、在宅医療の推進役として、在宅医療専門医療機関の保険医療機関指定が認められた。
 訪問看護ステーションとの連携に於いて在宅療養患者への在宅医療材料の支給や採血指示が明示された。しかし、在宅時医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料を算定した場合には併算定不可の扱いがあり、80点が妥当なのかこれから検証が必要と思われる。
 在医総管・施設総管は益々複雑化した。
 単一建物では、集合住宅・公団住宅などの一般住宅の扱いが明示されサ高住・老人ホームとは区別される。

 良くなったと思われる改定の一方で、より複雑化している原因は医療コンサルタントによる医療の効率化を謳うグレーな請求が増えたためではないだろうか。医療者としての立ち位置を明確にし、惑わされない在宅医療にこれからもご尽力頂きたい。

(2016-4)