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令和5年度【歯科】個別指導での指摘事項

 【歯科】 個別指導での指摘事項 (第1回)

 協会は今年も、東海北陸厚生局岐阜事務所に対し、昨年度実施された個別指導における指摘事項を開示請求したので数回に分けて紹介する。日常診療やカルテ記載を見直す際の参考にしていただきたい。

Ⅰ 診療に関する事項

1 診療録等

➣ 診療録

○ 保険医は、診療録が保険請求の根拠であることを認識し、必要な事項を十分に記載すること。

○ 保険医は、診療の都度、遅滞なく診療録の記載を行うこと。

○ 診療録の記載方法、記載内容に次の例が認められたので、適切に記載すること。

・ 診療行為の手順と異なった記載がある。

・ 診療録第2面(療担規則様式第一号(二)の2)の空行部分を斜線で抹消していない。

・ 判読困難な記載がある。

・ 療法・処置欄の1行に対し複数段の記載がある。

・ 欄外への記載がある。

○ 診療録第1面(療担規則様式第一号(二)の1)の記載内容に次の例が認められたので、必要な事項を適切に記載すること。

・ 傷病名について記載が誤っている。

・ 部位及び傷病名について記載が不十分である。

・ 傷病名を適切に整理していない次の例が認められる。

 ✧ 整理していないために傷病名が多数となっている。

 ✧ 長期にわたる急性疾患等の傷病名がある。

○ 診療録第2面(療担規則様式第一号(二)の2)の記載内容に次の例が認められたので、必要な事項を適切に記載すること。

・ 症状、所見及び診療方針について記載が不十分である。

・ 点数、負担金徴収額について記載がない。

○ レセプトコンピュータ等OA機器により作成した診療録の記載方法、記載内容に次の例が認められたので、適切に診療録を作成すること。

・ 診療を行った保険医が署名又は記名押印を行っていない。

・ 手書きで加筆する場合に、加筆に必要な空行を設けず、印字横の空欄に記載している。


➣ 歯科技工指示書

○ 歯科技工指示書に記載すべき次の内容に不備が認められたので、必要な事項を適切に記載すること。

・発行した歯科医師の氏名


➣ 提供文書

○ 歯科疾患管理料に係る提供文書の原本を診療録に添付し、写しを患者等に提供している例が認められたので、患者等に文書の原本を提供し診療録に当該文書の写しを添付すること。

○ 歯科衛生実地指導料に係る提供文書の原本を診療録に添付し、写しを患者等に提供している例が認められたので、患者等に文書の原本を提供し診療録に当該文書の写しを添付すること。


➣ 歯科衛生士の業務記録

○歯科衛生士が行った業務について、記録を作成していない例が認められたので改めること。


2 初・再診料

➣ 初診料、再診料

○ 診療が継続している場合に、算定できない歯科初診料を算定している例が認められたので改めること。【自主返還の対象】

・ 口腔機能発達不全症に係る診療において、次回受診する日の予約を行っている。


➣ 初・再診料の加算

○ 歯科診療特別対応加算に係る診療録に記載すべき内容について、記載の不十分な例が認められたので、次の事項について個々の症例に応じて適切に記載すること。

・ 算定した日の患者の状態


(岐阜県保険医新聞2024年8月10日号)


 
 【歯科】 個別指導での指摘事項 (第2回)

 協会は今年も、東海北陸厚生局岐阜事務所に対し、昨年度実施された個別指導における指摘事項を開示請求したので数回に分けて紹介する。日常診療やカルテ記載を見直す際の参考にしていただきたい。

Ⅰ 診療に関する事項

3 医学管理等

➣ 歯科疾患管理料

○ 歯科疾患管理料は、継続的管理を必要とする歯科疾患を有する患者に対して、口腔を一単位としてとらえ、患者との協働により行う口腔管理に加えて、病状が改善した疾患等の再発防止及び重症化予防を評価したものである旨を踏まえ、適切に実施すること。

○ 文書提供加算

・ 患者等に提供した文書の写しを診療録に添付しておらず、算定要件を満たしていない文書提供加算を算定している例が認められたので改めること。【自主返還の対象】

・ 算定要件を満たしていない文書提供加算を算定している次の例が認められたので改めること。【自主返還の対象】

 ✧ 患者等に提供した文書の写しを診療録に添付していない。

○ 長期管理加算

・ 算定要件を満たしていない長期管理加算を算定している次の例が認められたので改めること。

 ✧ 当該管理加算を初めて算定する場合に、患者の治療経過及び口腔の状態を踏まえた今後の口腔管理に当たって特に留意すべき事項について、その要点を診療録に記載していない。【自主返還の対象】


➣ 小児口腔機能管理料

○ 小児口腔機能管理料は、口腔機能の発達不全が認められる小児のうち、継続的な管理が必要な患者に対して、正常な口腔機能の獲得を目的として行う医学管理について評価したものであることを踏まえ、適切に実施すること。


➣ 口腔機能管理料

○ 口腔機能管理料を算定した月に診療録(指導・管理に係る記録を文書により作成している場合はその文書)に記載すべき内容について、記載の不十分な例が認められたので、指導・管理内容について個々の症例に応じて適切に記載すること。

○ 算定要件を満たしていない口腔機能管理料を算定している次の例が認められたので改めること。

・ 管理計画に係る提供文書の写しを診療録に添付していない。【自主返還の対象】


➣ 歯科衛生実地指導料

○ 情報提供文書に記載すべき内容について、記載の不十分な例が認められたので、次の事項について個々の症例に応じて適切に記載すること。

・ 主治の歯科医師の氏名

○ 算定要件を満たしていない歯科衛生実地指導料1を算定している次の例が認められたので改めること。

・ 歯科衛生士に行った指示内容等の要点を診療録に記載していない。【自主返還の対象】

○ 歯科衛生実地指導料1

・ 情報提供文書に記載すべき内容について、実態と異なる例が認められたので、次の事項について適切に記載すること。

 ✧ 主治の歯科医師の氏名


➣ 診療情報提供料(I)

○ 算定要件を満たしていない診療情報提供料(I)を算定している次の例が認められたので改めること。

・ 同一の内容を連月で算定している。【自主返還の対象】

○ 医療機関への紹介に当たっては、「別紙様式11」又はこれに準じた様式の文書に必要事項を記載すること。


➣ 新製有床義歯管理料

○ 算定要件を満たしていない新製有床義歯管理料「1 2以外の場合」を算定している次の例が認められたので改めること。

・ 情報提供文書の写しを診療録に添付していない。【自主返還の対象】


➣ 外来腫瘍化学療法診療料

○ 指導内容等の要点について、診療録若しくは薬剤管理指導記録に記載がない例が認められたので改めること。【自主返還の対象】


4 検査

➣ 歯周病検査

○ 歯周基本治療から次の歯周病検査までの間隔が極めて短く、歯科医学的に不適切な例が認められたので改めること。

○ 必要性の認められない歯周病検査を繰り返し実施している例が認められたので改めること。


➣ 歯周基本検査

○ 算定要件を満たしていない歯周基本検査を算定している次の例が認められたので改めること。【自主返還の対象】

・ 必要な検査のうち歯周ポケット測定(1点以上)、歯の動揺度の結果を診療録に記載又は検査結果の分かる記録を診療録に添付していない。【自主返還の対象】


➣ 検査料

○ 術前の検査について、必要性の認められない検査項目も含めて画一的に実施している例が認められたので改めること。【自主返還の対象】

・ 梅毒トレポネーマ抗体定性


5 画像診断

➣ 総論的事項

○ 歯科エックス線写真において、位置づけを適切に行っていない例が認められたので、正確な位置づけを行うこと。


➣ 診断料

○ 歯科エックス線撮影を行った場合に、診療録に記載すべき写真診断に係る必要な所見について、記載の不十分な例が認められたので個々の症例に応じて適切に記載すること。

○ 歯科用3次元エックス線断層撮影を行った場合に、診療録に記載すべき写真診断に係る必要な所見について、記載の不十分な例が認められたので個々の症例に応じて適切に記載すること。

○ 歯科パノラマ断層撮影を行った場合に、診療録に記載すべき写真診断に係る必要な所見について、記載の不十分な例が認められたので個々の症例に応じて適切に記載すること。

○ 算定要件を満たしていない画像診断における診断料を算定している次の例が認められたので改めること。【自主返還の対象】

・ 歯科パノラマ断層撮影を行った場合に、写真診断に係る必要な所見を診療録に記載していない。


(岐阜県保険医新聞2024年9月10日号)


 
 【歯科】 個別指導での指摘事項 (第3回)

 協会は今年も、東海北陸厚生局岐阜事務所に対し、昨年度実施された個別指導における指摘事項を開示請求したので数回に分けて紹介する。日常診療やカルテ記載を見直す際の参考にしていただきたい。

Ⅰ 診療に関する事項

6 在宅医療

➣ 歯科訪問診療料

○ 診療録に記載すべき内容について、画一的に記載している例が認められたので、次の事項について個々の症例に応じて適切に記載すること。

 ・ 実施時刻(開始時刻と終了時刻)

○ 算定要件を満たしていない歯科訪問診療料を算定している次の例が認められたので改めること。

 ・ 診療録及び診療報酬明細書に記載すべき実施時刻(開始時刻と終了時刻)について、重複しており実態と異なる記載がある。【自主返還の対象】

○ 診療録に記載すべき内容について、画一的に記載している例が認められたので、次の事項について個々の症例に応じて適切に記載すること。

 ・ 実施時刻(開始時刻と終了時刻)


➣ 歯科訪問診療料の加算

○ 歯科診療特別対応加算

 ・ 歯科診療特別対応加算に係る診療録に記載すべき内容について、記載の不十分な例が認められたので、次の事項について個々の症例に応じて適切に記載すること。

 ・ 算定した日の患者の状態

○ 歯科訪問診療補助加算

 ・ 必要性の認められない歯科訪問診療補助加算を算定している例が認められたので改めること。【自主返還の対象】


➣ 訪問歯科衛生指導料

○ 診療録に記載すべき内容について、画一的に記載している例が認められたので、次の事項について個々の症例に応じて適切に記載すること。

 ・ 実施時刻(開始時刻と終了時刻)

○ 診療録に記載すべき内容について、記載の不十分な例が認められたので、次の事項について個々の症例に応じて適切に記載すること。

 ・ 歯科衛生士等に指示した内容

○ 算定要件を満たしていない訪問歯科衛生指導料を算定している次の例が認められたので改めること。

 ・ 歯科衛生士等による実地指導を20 分以上実施していない。【自主返還の対象】


7 投 薬

➣ 投薬

○ 医薬品医療機器等法の承認事項からみて、次の不適切な投薬が認められたので改めること。【自主返還の対象】

 ・ 適応外

  ◇ ツムラ柴胡桂枝湯エキス顆粒(医療用)

  ◇ テグレトール細粒50%

  ◇ ロペミンカプセル1mg

○ 処置内容、症状等にかかわらず、画一的な投薬をしている例が認められたので、症状、経過等を考慮の上、投薬日数、投薬量、投与方法をその都度決定すること。

○ 投薬を行うに当たっては、医薬品医療機器等法の承認事項に加え、薬剤の重要な基本的注意事項を考慮し、個々の症例に応じて適切に判断すること。

○ レバミピド 100 mgに係る投薬の根拠について、既往歴等を適切に記載すること。


8 リハビリテーション

➣ 摂食機能療法

○ 診療録の記載内容等から判断して、1回につき30 分以上訓練指導を実施したとは認められず、算定要件を満たしていない摂食機能療法「1 30 分以上の場合」を算定している例が認められたので改めること。【自主返還の対象】

○ 診療録に記載すべき内容について、記載の不十分な例が認められたので、次の事項について個々の症例に応じて適切に記載すること。

 ・ 療法の内容の要点


➣ 歯科口腔リハビリテーション料1

○ 歯科口腔リハビリテーション料1「1 有床義歯の場合」を算定している場合に、診療録に記載すべき調整部位又は指導内容等の要点について、記載の不十分な例が認められたので、個々の症例に応じて適切に記載すること。


(岐阜県保険医新聞2024年10月10日号)


 
 【歯科】 個別指導での指摘事項 (第4回)

 協会は今年も、東海北陸厚生局岐阜事務所に対し、昨年度実施された個別指導における指摘事項を開示請求したので数回に分けて紹介する。日常診療やカルテ記載を見直す際の参考にしていただきたい。

Ⅰ 診療に関する事項

9 処 置

➣ 総論的事項

○ 歯周病に係る症状、所見等の診療録への記載が不十分であり、診断根拠や治療方針が不明確な例が認められたので、記載内容の充実を図ること。

○ 歯周病に係る症状、所見等の診療録への記載がなく、診断根拠や治療方針が不明確な例が認められたので、記載内容の充実を図ること。

○ 歯周病に係る治療計画の診療録への記載が不十分であり診断根拠や治療方針が不明確な例が認められたので、記載内容の充実を図ること。

○ 歯周治療の実施に当たっては、「歯周病の治療に関する基本的な考え方」(令和2年3月日本歯科医学会)を参考に適切な治療を行うこと。


➣ 歯周基本治療

○ 歯周基本治療スケーリング・ルートプレーニングにおいて、歯数を誤って算定している例が認められたので改めること。【自主返還の対象】


➣ 歯周病安定期治療

○ 歯周病安定期治療の実施に際しては、一連の歯周基本治療等の終了後に、一時的に病状が安定した状態であって、継続的な治療が必要と判断された患者に対して、病状の安定を維持し、治癒させることを目的として実施すること。


➣ 歯内療法

○ 一連の根管治療の費用の算定において、2根管で算定すべきものを3根管として誤って算定している例が認められたので改めること。【自主返還の対象】

○ 算定要件を満たしていない加圧根管充填処置を算定している次の例が認められたので改めること。

 ・ 緊密な根管充填を行っていない。【自主返還の対象】

 ・ 複数の根管を有する歯において、一部の根管で緊密な根管充填を行っていない。【自主返還の対象】


➣ 知覚過敏処置

○ 知覚過敏処置において所見、治療内容、経過等について、診療録への記載が不十分な例が認められたので、個々の症例に応じて適切に記載すること。


➣ 口腔内装置

○ 口腔内装置の製作方法と使用材料名について、診療録への記載が不十分な例が認められたので、適切に記載すること。


➣ 暫間固定

○ 暫間固定を行った部位、症状、所見、経過等について、診療録に記載していない例が認められたので、個々の症例に応じて適切に記載すること。


➣ 歯冠修復物又は補綴物の除去

○ 除去した歯冠修復物・補綴物の種類について、診療録への記載が不十分な例が認められたので、適切に記載すること。

○ メタルコアであって歯根の3分の1以上のポストを有するものに該当していない場合に、算定できない歯冠修復物又は補綴物の除去「3 著しく困難なもの」を算定している例が認められたので改めること。【自主返還の対象】


➣ 有床義歯床下粘膜調整処置

○ 有床義歯床下粘膜調整処置を行った所見等について、診療録に記載していない例が認められたので、適切に記載すること。

○ 旧義歯が不適合で義歯の床裏装や再製が必要とされる場合以外に、算定できない有床義歯床下粘膜調整処置を算定している例が認められたので改めること。【自主返還の対象】


➣ フッ化物歯面塗布処置

○ 歯科医学的に実施する必要性が認められないフッ化物歯面塗布処置を実施している例が認められたので改めること。【自主返還の対象】


10 手 術

➣ 総論的事項

○ 腐骨除去手術(歯槽部)の手術内容について、診療録への記載が不十分な例が認められたので、個々の症例に応じて適切に記載すること。


➣ 抜歯手術

○ 抜歯手術の所定点数に含まれ別に算定できない抜歯と同時に行った掻爬術を上顎洞開窓術として算定している例が認められたので改めること。【自主返還の対象】

○ 歯根肥大、骨の癒着歯、歯根彎曲等に対する骨の開さく又は歯根分離術等に該当していない場合に、算定できない難抜歯加算を算定している例が認められたので改めること。【自主返還の対象】

○ 抜歯手術難抜歯加算における手術内容について、診療録への記載が不十分な例が認められたので、個々の症例に応じて適切に記載すること。


➣ 口腔内消炎手術

○ 診療録に記載すべき内容について、記載の不十分な例が認められたので、次の事項について個々の症例に応じて適切に記載すること。

 ・ 手術内容の要点


➣ 歯根嚢胞摘出手術

○ 歯根嚢胞の大きさが歯冠大に満たない場合に、算定できない歯根嚢胞摘出手術「1 歯冠大のもの」を算定している例が認められたので改めること。【自主返還の対象】


11 歯冠修復及び欠損補綴

➣ 補綴時診断料

○ 算定要件を満たしていない補綴時診断料を算定している次の例が認められたので改めること。

 ・ 製作を予定する部位、欠損部の状態、欠損補綴物の名称及び設計等についての要点を診療録に記載していない。【自主返還の対象】

○ 診療録に記載すべき内容について、記載の不十分な例が認められたので、次の事項について個々の症例に応じて適切に記載すること。

 ・ 欠損部の状態

 ・ 欠損補綴物の名称及び設計等の要点

 ・ 欠損補綴物の設計等の要点


➣ クラウン・ブリッジ維持管理料

○ 算定要件を満たしていないクラウン・ブリッジ維持管理料を算定している次の例が認められたので改めること。

○ 患者に提供した文書の写しを診療録に添付していない。【自主返還の対象】


➣ 修理

○ 有床義歯修理

 ・ 診療録に記載すべき内容について、記載の不十分な例が認められたので、修理内容の要点について個々の症例に応じて適切に記載すること。

 ・ 修理内容の要点を診療録に記載しておらず、算定要件を満たしていない有床義歯修理を算定している例が認められたので改めること。【自主返還の対象】


12 保険外診療

➣ 保険外診療として実施すべき医療材料・薬剤を使用した場合に保険診療として誤って抜歯手術を算定している例が認められたので改めること。【自主返還の対象】


(岐阜県保険医新聞2024年11月10日号)


 
 【歯科】 個別指導での指摘事項 (第5回)

 協会は今年も、東海北陸厚生局岐阜事務所に対し、昨年度実施された個別指導における指摘事項を開示請求したので数回に分けて紹介する。日常診療やカルテ記載を見直す際の参考にしていただきたい。

Ⅱ 診療報酬の請求等に関する事項

1 診療報酬請求

➣ 総論的事項

○ 診療録と診療報酬明細書において、所定点数について一致しない例が認められたので、保険医療機関により十分に照合確認を行い適切に記載すること。

○ 診療報酬の請求に当たっては、審査支払機関への提出前に必ず主治医自らが診療録と照合し、診療報酬明細書の記載事項に誤りや不備がないか確認すること。


➣ 診療報酬明細書の記載

○ 独自の略称を使用している例が認められたので、略称を使用するに当たっては、「歯科の診療録及び診療報酬明細書に使用できる略称について(令4.3.18保医発0318第5号)」を参照し適切に記載すること。

○ 訪問歯科衛生指導料を算定した場合は下記のとおり記載すること。

 ・ 「摘要」欄に指導の実施時刻(開始時刻と終了時刻)を記載すること。


➣ 投 薬

○ 投薬

 ・ 抗悪性腫瘍剤局所持続注入に含まれている点滴注射を誤って請求している例が認められたので改めること。【自主返還の対象】


➣ 処 置

○ 歯周基本治療

 ・ 歯周基本治療(スケーリング)を実施したにもかかわらず、誤って歯周基本治療(スケーリング・ルートプレーニング)を実施したとして請求している例がみられたので改めること。【自主返還の対象】

○ 抜歯を前提として急性症状の消退を図ることを目的とした根管拡大を行ったにもかかわらず、誤って抜髄として請求している例が認められたので改めること。【自主返還の対象】


➣ 手 術

○ 抜歯手術

 ・ 抜歯窩再掻爬したにもかかわらず、誤って上顎洞開窓術として請求している例が認められたので改めること。【自主返還の対象】

○ 口腔内消炎手術

 ・ 骨膜下膿瘍切開したにもかかわらず、顎炎及び顎骨骨髄炎に対して骨の開さく等をしたとして誤って請求している例がみられたので改めること。【自主返還の対象】

○ へミセクションについて、誤って算定している例が認められたので改めること。【自主返還の対象】

○ 創傷処理

 ・ 創傷が長径5センチメートル未満であったにもかかわらず、誤って長径5センチメートル以上10センチメートル未満として請求している例がみられたので改めること。【自主返還の対象】

○ その他

 ・ 歯槽骨整形手術をしたにもかかわらず、誤って口蓋隆起形成術として請求している例が認められたので改めること。【自主返還の対象】

 ・ 唾石摘出術「1 表在性のもの」をしたにもかかわらず、誤って唾石摘出術「2 深在性のもの」として請求している例が認められたので改めること。【自主返還の対象】


➣ 歯冠修復

○ 歯科充填用材料Iについて、誤って算定している例が認められたので改めること。【自主返還の対象】


2 一部負担金等

➣ 一部負担金

○ 診療報酬明細書の作成、確認時に算定内容を修正した際に、一部負担金に過不足が生じた場合は、患者に適切に追徴や返金等の対応を継続すること。


3 届出事項、報告事項等

➣ 次の届出事項について、変更が認められたので速やかに東海北陸厚生局長宛て届け出ること。

○ 保険医の異動

○ 標榜診療時間の変更


4 掲示事項

➣ 保険医療機関の掲示事項に不備が認められたので、速やかに適切な掲示をすること。

○ 明細書の発行に関する事項の掲示内容が不十分である。

 ・ 一部負担金等の支払いがない患者に関する記載がない。

○ 次の施設基準に係る事項の届出をしていないにもかかわらず誤って掲示している。

 ・ 歯科診療特別対応連携加算

○ 次の施設基準に係る事項の掲示をしていない。

 ・ 歯科訪問診療料の注13に規定する基準

○ 次の施設基準に係る事項の掲示内容が誤っている。

 ・ 在宅患者歯科治療時医療管理料


* 令和5年度の個別指導での指摘事項(歯科)は、今回で最終回となります。



(岐阜県保険医新聞2024年12月10日号)