【歯科】 個別指導での指摘事項 (第2回)
協会は今年も、東海北陸厚生局岐阜事務所に対し、昨年度実施された個別指導における指摘事項を開示請求したので数回に分けて紹介する。日常診療やカルテ記載を見直す際の参考にしていただきたい。 |
Ⅰ 診療に関する事項
3 医学管理等
➣ 歯科疾患管理料
○ 歯科疾患管理料は、継続的管理を必要とする歯科疾患を有する患者に対して、口腔を一単位としてとらえ、患者との協働により行う口腔管理に加えて、病状が改善した疾患等の再発防止及び重症化予防を評価したものである旨を踏まえ、適切に実施すること。
○ 文書提供加算
・ 患者等に提供した文書の写しを診療録に添付しておらず、算定要件を満たしていない文書提供加算を算定している例が認められたので改めること。【自主返還の対象】
・ 算定要件を満たしていない文書提供加算を算定している次の例が認められたので改めること。【自主返還の対象】
✧ 患者等に提供した文書の写しを診療録に添付していない。
○ 長期管理加算
・ 算定要件を満たしていない長期管理加算を算定している次の例が認められたので改めること。
✧ 当該管理加算を初めて算定する場合に、患者の治療経過及び口腔の状態を踏まえた今後の口腔管理に当たって特に留意すべき事項について、その要点を診療録に記載していない。【自主返還の対象】
➣ 小児口腔機能管理料
○ 小児口腔機能管理料は、口腔機能の発達不全が認められる小児のうち、継続的な管理が必要な患者に対して、正常な口腔機能の獲得を目的として行う医学管理について評価したものであることを踏まえ、適切に実施すること。
➣ 口腔機能管理料
○ 口腔機能管理料を算定した月に診療録(指導・管理に係る記録を文書により作成している場合はその文書)に記載すべき内容について、記載の不十分な例が認められたので、指導・管理内容について個々の症例に応じて適切に記載すること。
○ 算定要件を満たしていない口腔機能管理料を算定している次の例が認められたので改めること。
・ 管理計画に係る提供文書の写しを診療録に添付していない。【自主返還の対象】
➣ 歯科衛生実地指導料
○ 情報提供文書に記載すべき内容について、記載の不十分な例が認められたので、次の事項について個々の症例に応じて適切に記載すること。
・ 主治の歯科医師の氏名
○ 算定要件を満たしていない歯科衛生実地指導料1を算定している次の例が認められたので改めること。
・ 歯科衛生士に行った指示内容等の要点を診療録に記載していない。【自主返還の対象】
○ 歯科衛生実地指導料1
・ 情報提供文書に記載すべき内容について、実態と異なる例が認められたので、次の事項について適切に記載すること。
✧ 主治の歯科医師の氏名
➣ 診療情報提供料(I)
○ 算定要件を満たしていない診療情報提供料(I)を算定している次の例が認められたので改めること。
・ 同一の内容を連月で算定している。【自主返還の対象】
○ 医療機関への紹介に当たっては、「別紙様式11」又はこれに準じた様式の文書に必要事項を記載すること。
➣ 新製有床義歯管理料
○ 算定要件を満たしていない新製有床義歯管理料「1 2以外の場合」を算定している次の例が認められたので改めること。
・ 情報提供文書の写しを診療録に添付していない。【自主返還の対象】
➣ 外来腫瘍化学療法診療料
○ 指導内容等の要点について、診療録若しくは薬剤管理指導記録に記載がない例が認められたので改めること。【自主返還の対象】
4 検査
➣ 歯周病検査
○ 歯周基本治療から次の歯周病検査までの間隔が極めて短く、歯科医学的に不適切な例が認められたので改めること。
○ 必要性の認められない歯周病検査を繰り返し実施している例が認められたので改めること。
➣ 歯周基本検査
○ 算定要件を満たしていない歯周基本検査を算定している次の例が認められたので改めること。【自主返還の対象】
・ 必要な検査のうち歯周ポケット測定(1点以上)、歯の動揺度の結果を診療録に記載又は検査結果の分かる記録を診療録に添付していない。【自主返還の対象】
➣ 検査料
○ 術前の検査について、必要性の認められない検査項目も含めて画一的に実施している例が認められたので改めること。【自主返還の対象】
・ 梅毒トレポネーマ抗体定性
5 画像診断
➣ 総論的事項
○ 歯科エックス線写真において、位置づけを適切に行っていない例が認められたので、正確な位置づけを行うこと。
➣ 診断料
○ 歯科エックス線撮影を行った場合に、診療録に記載すべき写真診断に係る必要な所見について、記載の不十分な例が認められたので個々の症例に応じて適切に記載すること。
○ 歯科用3次元エックス線断層撮影を行った場合に、診療録に記載すべき写真診断に係る必要な所見について、記載の不十分な例が認められたので個々の症例に応じて適切に記載すること。
○ 歯科パノラマ断層撮影を行った場合に、診療録に記載すべき写真診断に係る必要な所見について、記載の不十分な例が認められたので個々の症例に応じて適切に記載すること。
○ 算定要件を満たしていない画像診断における診断料を算定している次の例が認められたので改めること。【自主返還の対象】
・ 歯科パノラマ断層撮影を行った場合に、写真診断に係る必要な所見を診療録に記載していない。
(岐阜県保険医新聞2024年9月10日号)
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