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新点数を8会場+WEBで解説
  疑問点は協会までご連絡を
 4月実施の診療報酬改定を受け、協会では新点数説明会を医科は県内5会場、歯科も3会場で開催した。引き続くコロナ禍の中、感染防止対策を徹底するとともに前回改定に引き続き、保団連新点数検討会の動画も案内した。
 すべての会場で、「医療従事者が安心して働けるよう診療報酬の抜本的底上げなどを求める決議(下記参照)」を採択し、厚生労働省、県医師会・歯科医師会など関係機関に送付した。

医科 県下5会場で600人超が聴講


 医科は3月23日の高山会場、24日の岐阜会場、26日の大垣会場、27日の岐阜会場(病院対象)、28日の土岐会場で開催し、延べ340医療機関612人の参加があった。説明会は保団連発行のテキスト「点数表改定のポイント」を用いて行い、協会講師陣が改定内容を分かりやすく解説した。また、4月以降の新型コロナ感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについても説明した。
 説明会後、「機能強化加算に係る届出書添付書類(様式1の3)の記載方法」「在宅療養支援診療所・病院に係る施設基準の変更点」「リフィル処方を行わない場合の処方箋の記載方法」等の質問に個別に対応した。
 保団連は今次改定に関する疑義事項を全国から集め、その解釈集である「新点数運用Q&A」を発行する。協会はこのテキストを使って、4月28日に運用説明会を開催するので、ご参加いただきたい。

歯科 改定財源はごくわずか『改定の要点』読み全体把握を


 歯科は3月27日の高山会場、4月3日の岐阜会場、7日の多治見会場の3会場で開催。当日は、保団連テキスト「2022年改定の要点と解説」を用いた。冒頭、江口歯科社保部長は「今次改定は改定財源が90億円程度で経営改善には程遠い。それでも改定項目は多く、時間内にすべて説明できない。『今次改定の要点』に目を通し全体像の把握を」と述べた後、講師陣が改定内容を説明した。
 協会では、診療報酬改定時期に限らず、日頃から点数算定や疑義解釈などの日常の保険診療に関する相談や、レセプト審査・個別指導等の相談にも応じており、お気軽にお電話下さい。

(岐阜県保険医新聞2022年4月10日号)



2022年度 医科新点数説明会 決議

 2022年度診療報酬改定は、診療報酬全体で0.94%の引き下げとなりました。5回連続のネットマイナス改定です。新型コロナウイルス感染症到来前の2020 年度の本体改定率+0.55%よりも低い+ 0.43%に過ぎません。急ぐ道理も必要性もないマイナンバーカード普及には1兆8千億円もの巨額の予算を投ずる一方、コロナ禍で大きく傷ついた医療の再建・拡充には背を向ける姿勢と言わざるを得ません。
 今次の診療報酬改定では、感染防止対策に係る初・再診料の加算等の特例廃止、PCR 検査等の評価引き下げに続き、小児の感染防止対策に係る特例も廃止され、全医療機関対象の感染対策評価がなくなります。コロナ禍を乗り越え、新興感染症にも十分対応できるよう、診療報酬を抜本的に引き上げるべきです。また、「リフィル処方箋」の導入、「初診からのオンライン診療」の解禁、「入院医療の評価厳格化」などが盛り込まれました。これらは、医療の質を低下させ、患者を医療から遠ざける内容である上、コロナ禍にも対応する地域医療の混乱・疲弊を進めるもので、即時撤回すべきです。また不急のマイナンバーカードありきの「電子的保健医療情報活用加算」の新設は凍結すべきです。
 一方、患者さんに目を向けると、コロナ禍も加わり、経済的な理由による治療の中断や薬の飲み伸ばしなど、受診を手控える事例が多数起こっています。こうした状況で政府は、今年10 月から、「75 歳以上の医療費窓口負担2割化」を実施しようとしています。また、湿布薬や花粉症治療薬などの市販品類似薬を保険から外すことや、受診するたびに定額負担を上乗せするなど、患者負担増の具体化を狙っています。
 私たちは、診療報酬の引き上げとともに、患者負担増の中止、患者窓口負担の軽減を求め、以下の事項を要望します。


一、 コロナ禍でも、医療従事者が、安心して働くことができ、地域で患者さんに寄り添った医療が提供できるよう、診療報酬の抜本的底上げを行うこと

 ① 初・再診料、入院基本料をはじめとする基本診療料を大幅に引き上げること

 ② 診療報酬の不合理を是正すること

  ・ 後発医薬品の供給が依然滞っていることから、「外来後発医薬品使用体制加算」及び「後発医薬品使用体制加算」の算定要件である使用数量割合の引き上げを中止すること

  ・ 顔認証付きカードリーダーの設置等がシステムベンダーの都合により遅れる場合についても、「電子的保健医療情報活用加算」を算定できるようにすること

 ③ 感染対策に要する費用が医療機関の持ち出しになっている状況を踏まえ、実態に即した手当てを行うこと

一、医療機関が改定に円滑に対応できるよう十分な周知対策を実施すること

一、「75歳以上の医療費窓口負担2割化」をはじめとする患者負担増の計画は中止し、患者窓口負担を軽減すること


 以上決議する。

岐阜県保険医協会・医科新点数説明会 参加者一同



2022年度 歯科新点数説明会 決議

 2022年診療報酬改定は、診療報酬全体で0.94%の引き下げとなりました。5回連続のネットマイナス改定です。本体の改定率はプラスであるとはいえ、新型コロナウイルス感染症到来前の2020年度の同改定率+0.55%よりも低い+0.43%に過ぎません。急ぐ道理も必要性もないマイナンバーカード普及には1兆8千億円もの巨額の予算を投ずる一方、コロナ禍で大きく傷ついた医療の再建・拡充には背を向ける姿勢と言わざるを得ません。
 歯科では、院内感染防止対策を基本診療料で評価し、初・再診料が引き上げられました。また、金銀パラジウム合金(金パラ)の「逆ザヤ」の解消に向け、一歩前進し、この間の取り組みの成果が実りました。しかし、様々な疾患の重症化予防への寄与など、コロナ禍でより鮮明となった歯科医療の役割発揮を評価するには、不十分な改善と言わざるを得ません。
 さらに、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻による世界情勢の不安定化を背景に、歯科用貴金属やレアメタルの価格が急騰しており、コロナ禍で経営が厳しい上に、4月改定で十分償還されないようでは、金パラを安心して使用することができません。
 歯科診療所の経営はコロナ禍も加わり、厳しくなる一方です。また、歯科衛生士や歯科技工士の技術と労働が診療報酬上、正当に評価されていません。私たちは、国民医療を守り、医療従事者が安心・安全な医療を患者さんに提供できるよう、日常診療を適切に評価し、初・再診料をはじめとする基礎的技術料を中心に、診療報酬の改善を求めています。
 一方、患者さんに目を向けると、コロナ禍も加わり、経済的な理由による治療の中断や薬の飲み伸ばしなど、受診を手控える事例が多数起こっています。こうした状況で政府は、今年10 月から、「75 歳以上の医療費窓口負担2割化」を実施しようとしています。また、「市販品類似薬の保険外し」、「受診時定額負担」など、患者負担増の具体化を狙っています。
 私たちは、診療報酬の引き上げとともに、患者負担増の中止、患者窓口負担の軽減を求め、以下の事項を要望します。


一、 歯科医療従事者が、安心して働くことができ、患者さんに寄り添った歯科医療が提供できるよう、診療報酬を改善すること

 ①初・再診料をはじめ基礎的技術料を大幅に引き上げること

 ②診療報酬の不合理を是正すること

一、 歯科用貴金属価格の急騰に対し、国として緊急に価格安定を図るとともに、金パラ「逆ザヤ」を抜本的に解消すること

一、医療機関が改定に円滑に対応できるよう十分な周知対策を実施すること

一、「 75歳以上の窓口負担2割化」をはじめとする患者負担増の計画は中止し、患者窓口負担を軽減すること


 以上決議する。

2022年3月27日(日)、4月3日(日)、4月7日(木)

岐阜県保険医協会・歯科新点数検討会 参加者一同