協会は東海北陸厚生局岐阜事務所に対して、「2021年度県指導計画」と「2020年度県指導結果」を開示請求したので、今年度の指導計画を中心に紹介する。
今年度も新型コロナウイルス感染症の拡大防止を踏まえて行われ、高点数を選定理由とする個別指導や、適時調査(実施での調査部分)は実施されない。集団的個別指導や集団指導は実施されるが、いずれも講習会形式ではなく、資料配付による方法で実施される予定である。 |
⇒ 追加「2021年度に実施される個別指導等の計画について」
集団的個別指導
集団的個別指導は前年度実施されなかったが、今年度は、医科では10月に96医療機関(6病院、90診療所)に対して、歯科では9月に57医療機関に対して実施される。ただし、講習会形式ではなく、資料配付による方法で実施される予定である。
集団的個別指導は、前のレセプト1件当たりの平均点数が指導点数(医科は病院の入院が平均点数の1.1倍、診療所の入院外が平均点数の1.2倍、歯科は病院、診療所の入院外が平均点数の1.2倍)よりも高く、類型区分ごとの医療機関の総数の上位より概ね8%に該当する場合に対象となる。ただし、前年度及び前々年度に集団的個別指導又は個別指導を受けた医療機関は除外となる。
なお、1月18日に厚労省から出された事務連絡(以下、「厚労省事務連絡」)により、今年度集団的個別指導に選定され、翌年度も引き続き高点数であっても、翌々年度に高点数による個別指導に選定されない。
類型区分ごとの平均点数、指導点数、選定件数は表1を、2019年度から2021年度の平均点数の推移は表2をご覧いただきたい。
医科・歯科とも東海北陸厚生局岐阜事務所(TEL058-249-1822)に開設者又は管理者が電話をすれば、自院の平均点数を確認することができる。お知りになりたい場合は、問い合わせされたい。
個別指導
個別指導のうち、高点数を選定理由とするものは今年度実施されないこととなった。ちなみに、厚労省事務連絡等により、高点数個別指導は2021年度から2023年度までの3年間実施されないことになっている。
医科の個別指導は、「情報提供によるもの」(0件)、「再指導によるもの」(17件)、「高点数によるもの」(19件)、「その他」(1件)のうち、「高点数によるもの」を除く17件に実施される。
歯科の個別指導は、「情報提供によるもの」(2件)、「再指導によるもの」(6件)、「高点数によるもの」(12件)、「その他」(0件)のうち、「高点数によるもの」を除く6件に実施される。
新規指定による個別指導は、医科では2019年10月から2020年12月までに指定された29医療機関に対して、歯科では2019年7月から2020年12月までに指定された22医療機関に対して実施される。
なお、岐阜県では、個別指導、新規個別指導時の弁護士帯同及び録音が認められているので、必要に応じて実施を検討されたい。
集団指導
今年度の集団指導は、集団的個別指導と同様、講習会形式ではなく、資料配付による方法で実施される予定である。
医科の集団指導は、9月、2022年2月に新規指定又は指定更新の医療機関に対して行われるほか、2022年3月にすべての医療機関を対象に診療報酬改定に係る内容で行われる。また、新規に保険医登録した医師に対して8月に実施される。
歯科の集団指導は、7月、2022年2月に新規指定又は指定更新の医療機関に対して行われるほか、2022年3月にすべての医療機関を対象に診療報酬改定に係る内容で行われる。また、新規に保険医登録した医師に対して6月に実施される。
適時調査
適時調査は昨年度実施されなかったが、今年度は96病院に対して実施される。これは、厚労省事務連絡において「2021年度においては、病院による届出施設基準の自主点検を行わせることで実施とみなす」とされたためであり、実地での調査は予定されていない。なお、同事務連絡において、コロナ収束後の適時調査において、返還事案が生じた場合の遡及は、原則当該自主返還を行った時点までとされている。
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協会では指導に関する相談に随時応じているので、実施方法などでご不明な点があれば、お問い合わせいただきたい。
協会は現在、昨年度行われた個別指導、新規個別指導での指摘事項について東海北陸厚生局岐阜事務所に開示請求している。まとまり次第、紙面で紹介する。
(岐阜県保険医新聞2021年6月10日号)
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