【歯科】 個別指導での指摘事項 (第5回)
協会は今年も、東海北陸厚生局岐阜事務所に対し、昨年度実施された個別指導における指摘事項を開示請求したので数回に分けて紹介する。日常診療やカルテ記載を見直す際の参考にしていただきたい。 |
Ⅰ 診療に関する事項
12 歯周治療の続き
【歯周疾患処置】
○ 歯周疾患処置について、算定要件を満たしていない(手術後の検査無し)。(自主返還の対象)
○ 歯周疾患処置について、歯周ポケットが4㎜以上の部位がない場合に算定している。(自主返還の対象)
○ 歯周疾患処置について、薬剤の注入を2カ月連続してP急発病名にて漫然と実施している。
○ 算定要件を満たさない歯周疾患処置。(自主返還の対象)
【歯周外科手術】
○ 歯周外科手術を行った際、診療録への手術内容の記載が画一的。
○ 歯周外科手術(歯周ポケット掻爬術、新付着手術、歯肉切除手術、歯肉剥離掻爬手術)における症状、所見、予後について、診療録への記載が不十分であるので、記載の充実を図ること。
○ 歯周外科手術について、歯周病検査の結果、診療録の記載内容等から判断して、必要性の認められない歯周ポケット掻爬術、歯肉切除手術、歯肉剥離掻爬手術を算定している。(自主返還の対象)
○ 歯周外科治療について、歯周病検査の結果等の状況確認が不十分な歯肉剥離掻爬手術。
【歯周病安定期治療】
○ 歯周病安定期治療(Ⅰ)(Ⅱ)について、次の不適切な例が認められた。(自主返還の対象)
・歯周病検査の結果の要点や歯周病安定期治療の治療方針等について、管理計画書を患者に提供していない。
・継続的な管理を行うための療養上必要な管理事項について診療録への要点記載が画一的。
13 歯冠修復及び欠損補綴
○ 「通則4」による加算について、診療録に患者の状態の記載がない。(自主返還の対象)
【補綴時診断料】
○ 補綴時診断料について、診療録に下記の項目を記載していない。(自主返還の対象)
・製作を予定する部位、欠損部の状況、欠損補綴物の名称及び設計等の要点
・診療録に欠損部の状態及び欠損補綴物の設計
○ 補綴時診断料について、下記の記載が不十分(または乏しい)。
・欠損部の状態
・欠損補綴物の設計
【クラウン・ブリッジ維持管理料】
○ クラウン・ブリッジ維持管理を行っている歯冠補綴物が離脱した場合に装着材料料以外の再装着に係る費用を誤って算定している。(自主返還の対象)
○ 臨床所見等から判断して必要性のない前装部補修。(自主返還の対象)
【装着】
○ 臨床所見等から判断して必要性のない再装着。(自主返還の対象)
【CAD/CAM冠】
○ 算定要件を満たしていないCAD/CAM冠に係る一連の費用を算定している。(自主返還の対象)
【ブリッジ】
○ ブリッジについて、算定要件を満たさない延長ブリッジ。(自主返還の対象)
【補綴隙】
○ 補綴隙について、誤って算定している。(自主返還の対象)
【有床義歯】
○ 義歯装着上1床にすることが適当でない場合のみ2床とすること。
○ 誤って暫間義歯を算定している。(自主返還の対象)
○ 算定要件を満たしていない残根上義歯を製作している。(自主返還の対象)
○ 有床義歯について、誤った未装着請求(未来院請求)をしている。(自主返還の対象)
【間接支台装置】
○ 鋳造鉤について、必要性を考慮した上で妥当適切に使用すること。
【バー】
○ 有床義歯について、鋳造バーは必要性を考慮した上で妥当適切に使用すること。
○ 有床義歯の補強線を誤って鋳造バーとして算定している。(自主返還の対象)
○ 算定要件を満たさない保持装置。(自主返還の対象)
【有床義歯修理】
○ 有床義歯修理について、診療録に修理内容の要点を記載していない。(自主返還の対象)
○ 有床義歯修理について、診療録に記載すべき内容(修理内容の要点)が不十分なので内容を吟味し充実を図ること。
○ 臨床所見等から判断して必要性のない有床義歯修理。(自主返還の対象)
【歯科技工加算】
○ 歯科技工加算(Ⅰ)について、診療録に記載する内容(修理を担当する歯科技工士の氏名)を記載していない。
【有床義歯内面適合法】
○ 有床義歯内面適合法(軟質材料を用いる場合)について、臨床的に必要性が認められない。(自主返還の対象)
○ 有床義歯内面適合法について、有床義歯の新製を予定している場合に、旧義歯について算定できない有床義歯内面適合法(有床義歯床裏装)を誤って算定していたので、有床義歯修理により算定すること。(自主返還の対象)
(岐阜県保険医新聞2019年12月10日号)
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