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2015年患者受診実態調査・集計報告
「41%超える治療中断」受診抑制の実態が明らかに
 協会は2015年11月から12月にかけて、FAX登録していただいている会員1352人を対象に受診実態調査を行った。回収数は医科277件、歯科87件で合計364件であった。回収率は医科31.3%、歯科18.6%で、全体で26.9%。この調査は2010年にも同様の調査を行っているが、今回も保団連に加盟する全国の協会・医会が同時に実施しており、全国集計では1万件を超えるデータが集められている(全国集計は現在進行中)。

 調査に協力いただいた会員の中で41.2%が「この半年間に、主に患者の経済的理由によると思われる、治療を中断する事例があった」と回答した。医科39.4%も高いが、歯科の47.1%も大きな数字である。中断した患者の病名は、医科は、糖尿病、高血圧、脂質異常症、気管支喘息、うつ病など、歯科は歯冠修復・欠損補綴、歯周病、う蝕などで、いずれも定期的に療養管理が必要な疾患である。
 さらに、44.8%が「医療費負担を理由に検査や治療、投薬を断られたことがある」と回答している(医科48.4%、歯科33.3%)。また、この半年間に「薬が切れても来ない」事例を経験した医科の回答者は277人中204人(73.6%)にも上る。その他にも「受診回数減の希望(181人、65.3%)」、「薬代負担の減額希望(171人、61.7%)」、「投薬のみ希望(161人、58.1%)」などの経験をしている。歯科の場合も「痛みが取れたら受診しない(87人中59人、67.8%)」「保険内での治療の希望(57人、65.5%)」「自己負担額の質問(34人、39.1%)」「受診回数減の希望(27人、31.0%)」などの経験が報告されている。どの医療機関も医療費をめぐる患者さんの困難に直面している状況がうかがえる。
 

重症化だけでなく、新たな困難も

 
 このような医療現場では「重症になってから受診してくるので、すぐに入院先を探す」ことになってしまう。しかし「専門医を紹介しても入院を勧めても拒否」される事例も生じていると報告されている。歯科の場合も「痛みが出てから来院されるので治療期間が長引いたり、抜歯しなければならない」ケースが生じている。
 また、5年前の調査と比べて目を引いたのは「交通手段の消失」「年金の減額」「一人暮らしで自己管理できない」など高齢者の生活環境の厳しさを訴える報告である。
 高齢者に限らず「若い人に無保険者が増えた」「派遣社員のため保険証がすぐ届かない」「保険証の有効期限切れ」などの問題も引き続き深刻である。
 

未収金の回収は4分の1

 
 「この半年間に患者一部負担の未収金があったか」の設問には回答者の46.7%が「あった」と回答した(医科49.1%、歯科39.1%)。この未収金を全額回収できた割合は24.0%(医科24.1%、歯科23.8%)であった。未収金の件数は医科の方が多いが、回収できる割合は約24%と、医科歯科の数字が揃った。
 

自己負担引き上げでは受診抑制に影響大きい

 
 75歳以上の自己負担を2割に引き上げることには、回答者の76.1%が「患者の受診に影響がある」と回答している。  「年金暮らしの高齢者にとって大変大きな負担になる。ますます受診抑制が増えることが心配」「病院での精査が高額となり、紹介しにくくなる」「在宅医療などの回数抑制は真っ先に問題になる」「一般開業医にとって診療抑制につながり、結果として収入減になると思われる」「状態が悪くなっての受診が増えると思う」などの意見が寄せられた。なかには、高齢者だけでなく「すべての患者さんの窓口負担を無料から1割負担にするようにしてほしい」との意見もあった。
 保団連・協会は、受診実態調査結果を国会議員やマスコミに知らせ医療現場の実態を訴えるとともに、患者負担増をストップさせ、安心して医療にかかれるよう運動に取り組みます。ご協力をお願いします。











(岐阜県保険医新聞2016年3月10日号)