「歯科における栄養療法
~見逃されていた現代病の一因を追う~」
皆様は近年、それまで出会うことがなかった病態の患者さんが増えていると感じた事はないでしょうか。
例えば私が大学を卒業した頃は、鬱や俗に言うメンヘラの人などは見たことがありませんでしたが、今は割と普通におられます。また医学が進歩しているのに、糖尿病やがんの患者さんは増えています。そこまで行かないまでも、不定愁訴を抱えたまま歯科治療をしている人はたくさんおられます。
釈然としない思いを抱きながら臨床に従事していたある日「生体の基本的な仕組みを利用し病態を改善する方法」を学ぶ機会に恵まれました。それがおそらく多くの人が大嫌いであったであろう生理学や生化学、その理論を臨床応用する「栄養療法」というものでした。そこには私が日々疑問に思っていたことを解決するためのヒントに溢れ、これは標準医療に加えるべき要素であると思うようになりました。
振り返ると、我々は歯のことは何でも知っていても、命のことをどれくらい知っているのでしょう。そして歯科は痛みをとり噛めるように補綴をすれば、自動的に患者さんは幸せになってくれるものと思い込んでないでしょうか。治した歯で何を食べ、どうなってほしいのか、私はそういうビジョンが必要になると思うようになりました。
本講演では「栄養療法」をキーワードに、日常臨床から見えてきた「社会」と「疾病」の関わりを私なりに俯瞰し、歯科が目指すべきもう一つ先のゴールを考えてみたいと思います。
講 師 |
吉田歯科診療所デンタルメンテナンスクリニック
院長 吉田 格氏 |
と き |
2023年7月9日(日) 午前10時~午後4時 |
ところ |
大樹生命岐阜駅前ビル 6階会議室 |
対 象 |
歯科医師、歯科衛生士、歯科助手、学生 |